二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2011J2第24節 京都vs北九州

2011-08-14 | 蹴球

京都サンガF.C.○1-0●ギラヴァンツ北九州
■西京極の七本槍
“賤ヶ岳の七本槍”ってののがある。賤ヶ岳の合戦で、特に手柄のあった秀吉の近習7人を指す。加藤清正、福島正則、加藤嘉明、平野長泰、糟屋武則、片桐且元、脇坂安治…。ただしこれ、勝利が確定的になった時点で若者たちを野に放ち、手柄を挙げさせたもの。しかしそこは人心掌握に長けた秀吉。功名こそが若手に何よりの自信を与えると知ってたのだ。
 ということで、相変わらず10代3トップで臨んだ大木サンガ。前半からそれぞれが躍動しまくり、その姿はまさしく野に放たれた七本槍だった。特に伊藤は圧巻。あれだけ積極的に仕掛ければ、相手は後手に回るほかなく、味方はそれに追随しようとさらに走りまくる。先陣を駆ける若武者に、それを追う若武者という構図。
 ところで七本槍に数は足りるのかな…と数えてみた。伊藤、久保、宮吉、駒井の10代4人に、チョンウヨンと酒井と内藤がルーキー。七本槍に一本足らんな…。もう一本出てこい!

■本当に効いてた人
 若手の躍動が全体の流れをつくり、まるで清流がさらさらと涼しげな音を立てて流れるように連動した攻撃、そして守備をみせたこの試合。後半にハウバート・ダンを入れることによりいい流れに堰をしてしまい、守勢一辺倒になった挙げ句に守護神・水谷が八面六臂の活躍を見せる訳だが、この試合を通じて本当に効いてた人は、このチームでは早くもベテランと呼ばれても仕方のない安藤淳だった。
 とにかく、白スパイクの8番はどこにでも顔を出した。相手が攻めようとする起点に顔を出し、足を伸ばしてカットする。守備陣から出されたボールは、安藤を経由して攻撃のボールへと変わる。キャプテンを放出してしまった今、こうしてゲームを締めることのできる選手は本当に貴重だ。
 もうひとりの“若きベテラン”中山博貴の闘志も目をみはるものがあった。ただ、なぜあの時間に切ったカードがハウバート・ダンだったのかは、未だに謎なのである。

〈京右衛門的採点〉
水谷 7.0 …ノーミス、神、神、神。
酒井 6.5 …積極的なディフェンスで頼もしかった。
秋本 6.5 …ピンチを何度か救う。足は遅いけど。
森下 6.0 …身体を張って前節の汚名返上。攻撃のポジショニングも○。
チョンウヨン 6.5 …いつからそんなにキック精度が良くなったの?
駒井 6.0 …酷暑の中の積極的なチェイシングは相手も困ったはず。
安藤 7.0 …好守をつなぐパイプのような存在。随所で気が利いていた。
中山 6.5 …守備面で特に貢献。シュートシーンの判断は×。
伊藤 7.5 …キレキレすぎる19歳。たくさん外したが、その積極性は魅力。
久保 6.5 …得点は90%彼の点。高度なテクニックと強さを見せつけた。
宮吉 6.0 …復調気味だが最終局面の積極性足らず。守備は◎。
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ハウバート・ダン 4.5 …いい流れをぶっ潰すくらいにキープできず。
内藤 ――
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大木監督 5.5 …もっと楽に勝てた&もとっとたくさん点取れたはずなんです…。