2年ぶりに陣容ネタを。去年はそんなもの書く気すらなれなかったけれど、今年は書いてみようじゃないか。ポイントはやはり「監督の意向が入ってる編成」ということ。シェフが作りたい料理のために必要となる食材を集める…という、ごく当然のことが何年かぶりに実現。一方でJ2下位低迷の代償として必要不可欠な看板選手を失ってしまった。トランスファーマーケットの収支はプラスなのか?マイナスなのか?さてはて。
ゴールキーパー
☆新【1】菅野孝憲
【21】清水圭介
【33】山田元気
持論として「いいGKが昇格への近道説」を唱える者として、菅野孝憲の補強はウルトラスーパーエクセレント。昨年の昇格組には加藤順大、カミンスキー、中村航輔というスペシャルな守護神がいたが、菅野ならば同等以上。特徴は圧倒的な反応の俊敏性と、“スゲノイアー”(by玉乃淳)と称される守備範囲の広さ。そのプレースタイルがあれば、最終ラインを高く保つ強気な守備、防→攻のスピーディ展開まで容易に想像できる。清水圭介も昨年チームMVP級の活躍しており、この2人のレベルは今年のJ2屈指。3人体制はやや不安ではあるが、よほどのアクシデントがない限りは問題ない。素晴らしい陣容。
センターバック
【2】菅沼駿哉
☆新【3】染谷悠太
☆新【4】牟田雄祐
☆復【20】高橋祐治
長年京都の守備を支えたバヤリッツァを放出したが、高さ+スピードを誇る牟田雄祐の補強に成功。菅野+牟田の機動力ある最終ラインこそが、石丸監督の目指すサッカーの肝になりそう。セレッソの中心選手としてクレバーで責任感ある守備に磨きをかけた染谷悠太、突貫癖はあるものの石丸サッカーに順応している菅沼駿哉、J2最少失点のうどん軍団で実戦経験を積んだ高橋祐治と多士済々な上、上背はないが対人に強い本多勇喜をCBで使うことも可能。去年きっちりと守備を立て直した石丸監督がこの面々でどれだけ魅力的な守備を構築できるか。ただ守るだけでなく、攻撃の起点になるような最終ラインが見てみたい。相当いい陣容。
サイドバック
☆新【6】本多勇喜
【24】内田恭兵
【26】下畠翔吾
☆復【28】齊藤隆成
【30】石櫃洋祐
貴重な左利きSB2名がOUTとなったものの、J1レベルのプレーヤー・本多勇喜を神戸との競合の末獲得。昨年は左サイドに右利きを使ったため、攻撃面でスムースさを欠いたが、今年はようやく本職のサイド攻撃が見られるか(FC大阪から復帰の齊藤隆成もレフティ)。加えて岩沼俊介も左利きのサイドのプレイヤーで、駒は揃った。右サイドは攻撃的な石櫃洋祐と内田恭兵、守備に強みのある下畠翔吾と、讃岐で右SBをこなした高橋の争い。左が本多で盤石なのに対して、右はそれぞれ長所と弱点があり一長一短。こうしてみるとサイドバックのタイプは豊富で、3バックの布陣にも対応できる幅の広さも。とはいえJ2で突出するほどの陣容でもない。いかに戦術理解を深めるか。
ディフェンシブハーフ
☆新【5】岩沼俊介
☆新【8】アンドレイ・ジロット
☆新【22】佐藤健太郎
☆復【25】國領一平
【27】永島悠史
☆昇【32】荻野広大
守備職人の田森大己が抜けたが、同じくJ2で実績のある守備職人・佐藤健太郎が加入。献身性を求める石丸監督の重要なピースになりそう。岩沼は守備的MFというよりは左サイドのMF。さまざまなポジションをこなせる便利屋さんの予感(國領一平もユーティリティタイプ)。アンドレイ・ジロットは大物感のある助っ人ながら、未知数。セントラルMFとして原川力をスケールアップしたようなタイプであれば理想だが、日本(J2)特有のちょこまかと忙しい、ガツガツ来るサッカーに順応できるかどうか。見る限り身体つきもシャープで性格も真面目そうなので、順応できる気はするが…。1アンカー+2インサイドハーフにするのか、2ボランチにするのかわからないが、荻野広大にはこの一角を崩すことを期待したい。でもまぁここはアンドレイ次第。
オフェンシブハーフ
☆新【11】堀米勇輝
【14】山瀬功治
【23】和田篤紀
駒井善成、伊藤優汰という去年の主力が抜けた攻撃的MF。補強はプラチナ世代で甲府の至宝・堀米勇輝のみ。手駒を見渡しても稼働率が心配な山瀬功治と、献身性や運動量に不安のある和田篤紀くらいしかおらず、FW陣でMF的な使い方ができそうな選手(石田雅俊など)もいるにはいるが、層は薄い。山瀬は去年終盤同様にインサイドハーフとしての起用、堀米は伊藤がやっていた右ワイドでの起用になりそうだが、駒井の抜けた大きな穴は開いたまま。豊富な運動量と献身性で“石丸流走るサッカー”の旗手となった駒井役をこなせる選手が出てくるのかどうか。これ以上の補強がないならば、次に挙げるFWの選手の中から駒井に代わる存在が現れてくれないと結構苦しい。明らかに手薄なボジション。
フォワード
☆復【7】田村亮介
【9】ダニエル・ロビーニョ
☆新【16】イヨンジェ
【17】有田光希
【18】石田雅俊
☆新【19】矢島卓郎
☆昇【29】沼大希
攻守に献身的だった宮吉拓実のOUTは数字以上の戦力ダウン。長崎では前線の基点+突破型だったイヨンジェ、鳥栖帰りのスピードスター・田村亮介がポスト宮吉の候補か。1トップ的に身体を張れるタイプは、昨年から主軸の有田光希と、フィジカルの強い“怪我持ちの大器”矢島卓郎。セカンドストライカータイプには、去年病気で稼働できなかったダニエルロビーニョ、トップ下タイプの天才肌・石田雅俊、ルーキー沼大希が控える。FW陣の“軸”となるのが有田なのは間違いないが、そのプレースタイルゆえに怪我を抱えがちなのが心配。矢島は輪をかけて怪我がちだし、ロビーニョは病み上がり、イヨンジェは合流遅れ、田村、石田、沼は経験不足と不安点だらけ。FW起用が考えられる堀米も現時点で怪我。とはいえ、それぞれに特色があるので、戦術という歯車が上手く回るようになれば、ゴールへの選択肢は増えるはず。ここ2年間個頼みでワンパターンに陥った原因・大黒将志を容赦なく構想外にした判断はチーム全体にとっては大きなプラス。不安もあるが決して期待できない陣容ではない。
コーチングスタッフ
【監督】石丸清隆
☆新【ヘッドコーチ】大嶽直人
☆新【コーチ】佐藤尽
【GKコーチ】平井直人
☆新【フィジカルコーチ】古邊考功
湘南の貴裁監督招聘に動くも土壇場のところで失敗。すぐさま石丸監督の続投を打ち出し、コーチングスタッフには石丸監督が現役時代、京都や福岡に共に戦った大嶽直人、佐藤尽、古邊考功を加え“チーム石丸”を鮮明にした。とりわけ大きいのが大嶽ヘッドの加入。J2を知り尽くす北九州の知将・柱谷幸一監督の右腕として、主に守備面の構築を担当した。「ヘッドコーチってかなり重要だよ」論者としては、選手の補強以上に見過ごせない補強と感じている。ただ、佐藤尽はよくわからないし、古邊フィジコは昨年の清水がさほど走れないチームだった点で何やら不安。とはいえここ2年間感じていた「この監督で、なぜこのコーチ?」のような取って付けた感、チクハグ感はなく、「一丸」を掲げるチームらしい陣容になった。石丸監督の目指すサッカーの方向性は正しいと思うので、。あとは監督の考え、戦術、戦略を大きなグループでいかに共有できるか。その伝道師として、やっぱりコーチ陣の力は重要。
まとめると、守備陣は充実の陣容。守備範囲の広い菅野を中心とする守り方までイメージしやすく、説得力がある。ただし、アグレッシブに行きすぎるのも考え物。実戦を重ねながらラインの高さをアジャストしたい。一方で中盤前目~攻撃陣は不安点が多い。現状まだコンディション不良が多いことと、駒井の抜けた穴。思惑通りにいかなければ、去年から大幅なマイナスになる可能性も孕む。ただし、もともと個の能力で打開するような編成にはなっておらず、チームのために走れる選手を揃えている陣容。それがブレなければ去年のような大幅なつまずきはないはずだが、決定力不足に陥れば夏の補強で路線の見直しも必要となる。杞憂に終わればいいけれど…。
ゴールキーパー
☆新【1】菅野孝憲
【21】清水圭介
【33】山田元気
持論として「いいGKが昇格への近道説」を唱える者として、菅野孝憲の補強はウルトラスーパーエクセレント。昨年の昇格組には加藤順大、カミンスキー、中村航輔というスペシャルな守護神がいたが、菅野ならば同等以上。特徴は圧倒的な反応の俊敏性と、“スゲノイアー”(by玉乃淳)と称される守備範囲の広さ。そのプレースタイルがあれば、最終ラインを高く保つ強気な守備、防→攻のスピーディ展開まで容易に想像できる。清水圭介も昨年チームMVP級の活躍しており、この2人のレベルは今年のJ2屈指。3人体制はやや不安ではあるが、よほどのアクシデントがない限りは問題ない。素晴らしい陣容。
センターバック
【2】菅沼駿哉
☆新【3】染谷悠太
☆新【4】牟田雄祐
☆復【20】高橋祐治
長年京都の守備を支えたバヤリッツァを放出したが、高さ+スピードを誇る牟田雄祐の補強に成功。菅野+牟田の機動力ある最終ラインこそが、石丸監督の目指すサッカーの肝になりそう。セレッソの中心選手としてクレバーで責任感ある守備に磨きをかけた染谷悠太、突貫癖はあるものの石丸サッカーに順応している菅沼駿哉、J2最少失点のうどん軍団で実戦経験を積んだ高橋祐治と多士済々な上、上背はないが対人に強い本多勇喜をCBで使うことも可能。去年きっちりと守備を立て直した石丸監督がこの面々でどれだけ魅力的な守備を構築できるか。ただ守るだけでなく、攻撃の起点になるような最終ラインが見てみたい。相当いい陣容。
サイドバック
☆新【6】本多勇喜
【24】内田恭兵
【26】下畠翔吾
☆復【28】齊藤隆成
【30】石櫃洋祐
貴重な左利きSB2名がOUTとなったものの、J1レベルのプレーヤー・本多勇喜を神戸との競合の末獲得。昨年は左サイドに右利きを使ったため、攻撃面でスムースさを欠いたが、今年はようやく本職のサイド攻撃が見られるか(FC大阪から復帰の齊藤隆成もレフティ)。加えて岩沼俊介も左利きのサイドのプレイヤーで、駒は揃った。右サイドは攻撃的な石櫃洋祐と内田恭兵、守備に強みのある下畠翔吾と、讃岐で右SBをこなした高橋の争い。左が本多で盤石なのに対して、右はそれぞれ長所と弱点があり一長一短。こうしてみるとサイドバックのタイプは豊富で、3バックの布陣にも対応できる幅の広さも。とはいえJ2で突出するほどの陣容でもない。いかに戦術理解を深めるか。
ディフェンシブハーフ
☆新【5】岩沼俊介
☆新【8】アンドレイ・ジロット
☆新【22】佐藤健太郎
☆復【25】國領一平
【27】永島悠史
☆昇【32】荻野広大
守備職人の田森大己が抜けたが、同じくJ2で実績のある守備職人・佐藤健太郎が加入。献身性を求める石丸監督の重要なピースになりそう。岩沼は守備的MFというよりは左サイドのMF。さまざまなポジションをこなせる便利屋さんの予感(國領一平もユーティリティタイプ)。アンドレイ・ジロットは大物感のある助っ人ながら、未知数。セントラルMFとして原川力をスケールアップしたようなタイプであれば理想だが、日本(J2)特有のちょこまかと忙しい、ガツガツ来るサッカーに順応できるかどうか。見る限り身体つきもシャープで性格も真面目そうなので、順応できる気はするが…。1アンカー+2インサイドハーフにするのか、2ボランチにするのかわからないが、荻野広大にはこの一角を崩すことを期待したい。でもまぁここはアンドレイ次第。
オフェンシブハーフ
☆新【11】堀米勇輝
【14】山瀬功治
【23】和田篤紀
駒井善成、伊藤優汰という去年の主力が抜けた攻撃的MF。補強はプラチナ世代で甲府の至宝・堀米勇輝のみ。手駒を見渡しても稼働率が心配な山瀬功治と、献身性や運動量に不安のある和田篤紀くらいしかおらず、FW陣でMF的な使い方ができそうな選手(石田雅俊など)もいるにはいるが、層は薄い。山瀬は去年終盤同様にインサイドハーフとしての起用、堀米は伊藤がやっていた右ワイドでの起用になりそうだが、駒井の抜けた大きな穴は開いたまま。豊富な運動量と献身性で“石丸流走るサッカー”の旗手となった駒井役をこなせる選手が出てくるのかどうか。これ以上の補強がないならば、次に挙げるFWの選手の中から駒井に代わる存在が現れてくれないと結構苦しい。明らかに手薄なボジション。
フォワード
☆復【7】田村亮介
【9】ダニエル・ロビーニョ
☆新【16】イヨンジェ
【17】有田光希
【18】石田雅俊
☆新【19】矢島卓郎
☆昇【29】沼大希
攻守に献身的だった宮吉拓実のOUTは数字以上の戦力ダウン。長崎では前線の基点+突破型だったイヨンジェ、鳥栖帰りのスピードスター・田村亮介がポスト宮吉の候補か。1トップ的に身体を張れるタイプは、昨年から主軸の有田光希と、フィジカルの強い“怪我持ちの大器”矢島卓郎。セカンドストライカータイプには、去年病気で稼働できなかったダニエルロビーニョ、トップ下タイプの天才肌・石田雅俊、ルーキー沼大希が控える。FW陣の“軸”となるのが有田なのは間違いないが、そのプレースタイルゆえに怪我を抱えがちなのが心配。矢島は輪をかけて怪我がちだし、ロビーニョは病み上がり、イヨンジェは合流遅れ、田村、石田、沼は経験不足と不安点だらけ。FW起用が考えられる堀米も現時点で怪我。とはいえ、それぞれに特色があるので、戦術という歯車が上手く回るようになれば、ゴールへの選択肢は増えるはず。ここ2年間個頼みでワンパターンに陥った原因・大黒将志を容赦なく構想外にした判断はチーム全体にとっては大きなプラス。不安もあるが決して期待できない陣容ではない。
コーチングスタッフ
【監督】石丸清隆
☆新【ヘッドコーチ】大嶽直人
☆新【コーチ】佐藤尽
【GKコーチ】平井直人
☆新【フィジカルコーチ】古邊考功
湘南の貴裁監督招聘に動くも土壇場のところで失敗。すぐさま石丸監督の続投を打ち出し、コーチングスタッフには石丸監督が現役時代、京都や福岡に共に戦った大嶽直人、佐藤尽、古邊考功を加え“チーム石丸”を鮮明にした。とりわけ大きいのが大嶽ヘッドの加入。J2を知り尽くす北九州の知将・柱谷幸一監督の右腕として、主に守備面の構築を担当した。「ヘッドコーチってかなり重要だよ」論者としては、選手の補強以上に見過ごせない補強と感じている。ただ、佐藤尽はよくわからないし、古邊フィジコは昨年の清水がさほど走れないチームだった点で何やら不安。とはいえここ2年間感じていた「この監督で、なぜこのコーチ?」のような取って付けた感、チクハグ感はなく、「一丸」を掲げるチームらしい陣容になった。石丸監督の目指すサッカーの方向性は正しいと思うので、。あとは監督の考え、戦術、戦略を大きなグループでいかに共有できるか。その伝道師として、やっぱりコーチ陣の力は重要。
まとめると、守備陣は充実の陣容。守備範囲の広い菅野を中心とする守り方までイメージしやすく、説得力がある。ただし、アグレッシブに行きすぎるのも考え物。実戦を重ねながらラインの高さをアジャストしたい。一方で中盤前目~攻撃陣は不安点が多い。現状まだコンディション不良が多いことと、駒井の抜けた穴。思惑通りにいかなければ、去年から大幅なマイナスになる可能性も孕む。ただし、もともと個の能力で打開するような編成にはなっておらず、チームのために走れる選手を揃えている陣容。それがブレなければ去年のような大幅なつまずきはないはずだが、決定力不足に陥れば夏の補強で路線の見直しも必要となる。杞憂に終わればいいけれど…。