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山中静夫氏の尊厳死

2020年06月14日 16時44分24秒 | Books

  山中静夫氏の尊厳死   南木 佳士

 この南木佳士さんと私は同じ歳である。しかも,共に信州に住んでいる。という事で随分親近感を覚えるだけでなく、好奇心を感じて手にしました。実は以前にも一冊読んだのだが、残念ながらその名は忘れてしまった。しかし、なんとなくその時の読んだ感触をおぼろげながら覚えている。それは、穏やかな筆致であったということ。 その後、「阿弥陀堂だより」という映画を観たのだが、これも南木佳士さんの作品だったとは知らなかった。今回この本を読み、ビデオで再びこの「阿弥陀堂だより」を観てなるほどと、南木佳士さんらしい作品だと納得した次第。

 さて、この主人公は病院勤の内科医師が一人の余命3か月の患者を担当し、その方の人生最後の願いをサポートするべく色々と思案してゆくその時の精神的葛藤が記されている。私は、このようにその実の医師がその仕事中に感じる思い、葛藤を小説にしたという作品を読んだことがなかった。まぁ、医者の本音が述べられているように読んだ。いや、この著者 南木佳士という一人の医師の心中を有りの儘に著したものである。やはり全体の流れは、起伏が少なく淡々と流れてゆくが、これもこの作者ならではである。それが却って、奇をてらうような作品にならず、読み手に安ど感を与えてくれるようである。 芥川賞を受賞されたようですが、それにのっかる様子はなく、生活への視線は我々と同じように感じる。 


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