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本当のことを伝えない日本の新聞  

2012年10月11日 17時53分48秒 | Books

  本当のことを伝えない日本の新聞     マーティン ファクラー

 著者は ニューヨークタイムズ東京支局長である。読んでみて 成る程と知らされたことは馴れ合いといこと。まず 記者クラブというのが存在し、政府や官庁などの記者会見とは、この記者クラブを前におこなわれる。ところがこの貴社クラブには 日本の主要メディアの会員しか入れない。 例えばこの著者のような 海外メディアのものは 記者クラブの会員にはなれず、したがって記者会見には出席出来ない訳である。ところがここでつまらないことに、出席した主要メディアは、 会見で発表された内容をほぼそのまま丸ごと記事として載せている。この会見発表があまり国民に真実を伝えたくないような場合など、よく「~と推測される」、とか「可能性が高い」といった表現が使われるが、参加したメディアもそこを追及することなくそのままを報道している。 著者はこのような状況を『これはまるで大本営発表と一緒ではないか』と表現している。このような 馴れ合いといった状況は、企業トップと記者との間にもあるようだ。 主要議員や官僚また企業トップに寄り添う事によって いわゆる特種を聞き出そうと胡麻をするような状況もあるわけである。著者はこう述べている。『私が12年間、日本で取材活動をする中で感じた事は、権力を監視するたちばにあるはずの新聞記者たちが、むしろ権力側と似た感覚を持っているということだ。 中略 やや厳しい言い方をするならば、記者達には「官尊民卑」の思想が心の奥深くに根を張っている』

 著者はここで云いたい。ジャーナリズムとは政府の発表をいち早く、正確に報道する事ではなく、むしろその奥というか裏に潜む現実を掘り起こして社会に報道する事ではないかと。