悩まない 金子 兜太
以前 この金子兜太さんの戦時中へのインタビューを読みました。その何人かのインタビューで紹介された人の中で一番印象に残った人でした。 その時は 戦時下で人間の赤裸々な姿が現れ、その素な人間の姿が好きであったという言葉が、印象的に残ったのであろう。 今回 その辺りもっと深く紹介されているかと期待して手にとりました。
『即物』っていう言葉を、私はどういう意味で使っているかを申しますと、『抱き合わなきゃだめ』、離れていたんじゃだめなんだということ。そうなったときにほんとうの理解が出来る。信じる事ができる。 そうか相手も己も、あらゆる理性、倫理観、人生観などのこだわりを棄てて裸で 抱き合って、向かい合って互いを知り合う事が 互いの真の姿を理解する事に繋がるという事か。
戦場で 俳句会という 異次元とも思える集まりを、開催していたという金子さん。これが出来たのも金子さんの 素の人間性の深さとも太さとも、気取らなさ、そういった人柄に負うところが大きかったのであろう。
ありのまま 自己のありのままの生き方を シンプルに生きる。 無駄なもの、余計な事には惑わされない。