ソプラノの藤本さんは、スリムな身体で大変な声量、それでいて軽やかで透明な歌声で、お集まりの約20名の皆さんすっかり魅了され様子だった。伴奏は峯崎さんで、電子ピアノとは思えない軽快できれいな音だった。
フランス語でのフランス歌曲ということで、馴染みがなかったのだが、フランス歌曲の大きな流れ、作曲家の紹介から、歌詞についても堀口大學の訳詞などを朗読していただけたので、雰囲気がいっそう伝わってきた。
歌は以下。
「ひそやか」:作曲は、フランスの国民的作曲家のガブリエル・フォーレ
「花のカタログ」:反印象主義、反ロマン主義で、シンプルに音楽だけという(あのサティーのように)ダリウス・ミヨーの作曲。カトレヤ、ベコニア、網がさゆり、ヒヤシンスなど花の名前をずらりと並べ、最後に「価格は郵便でお報せします」という変わった歌詞。
「ロマンス」:ロマンチックなドビュッシー作曲の歌。「花のカタログ」との差がよく解った。
「優しい歌」:マチルダとの結婚の時にフォーレが作曲した曲。歌詞はポール・ヴェルネールの詩。
その他、「白い曲」、「ね、そうでしょう?」
休憩後は日本歌曲を皆で歌った。
「悲しくなった時は」大中恩作曲/寺山修司作詞、「少年」諸井三郎作曲、三好達治作詞、「夏の思い出」「浜辺の歌」「ふるさと」
つい、負けずに大きな声を出してしまった。
コンサート後、お茶とお菓子を前にして懇談した。「どうしたら、あんなに大きく美しい声が出るのか?」との質問がくるみの木でコーラスをやっている人たちから出た。「子供の頃からではなく、16、7歳から3年ほど発声練習をしたし、今でも先生についている」との話で、発声練習のやり方の話で盛り上がった。