くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

登山者の劣化を招く入山料

2013-07-25 22:05:54 | つれづれなるまま
今日から富士山の入山料の徴収が試験的に始まりました。
根本には「入山者数の抑制」という課題があるようですが、
とりあえずその使い道として、「『環境保全』と『安全対策』のため」、
という目的を理由に掲げています。

「環境保全」と「安全対策」を謳うと、必ず現れるのが「勘違い登山者」です。
「お金を払ったのだから当然の権利」だと言わんばかりに、
ゴミを持ち帰らずに山小屋に置いて帰る者やトイレ使用料を踏み倒す者、
気安く救助を求める者が増えることが危惧されます。

「お金を払った人はお客様」=「一番偉い」
という醜い消費者意識がこういった勘違い行動をもたらします。

シミュレーションでは、富士山の入山者数を現在の半分に減らすには、
入山料を7000円程度に設定する必要があるといいます。
しかし、徴収する料金が高額になればなるほど、
そして任意でなく強制であるほどこうした登山者は、
入山者数に反比例して増えるでしょう。

お金を払うことによって、
人の意識は消費者になってしまうものです。
「払った分のモトはとりたい」という、欲に基づく消費者心理は、
なかなか変えられるものではありません。

特に富士山ではそれが顕著に現れるでしょう。
なぜなら、富士山を登る人の多くは、
日ごろから登山に関心のある「登山者」ではなく、
いわゆる観光客だからです。