参議院選挙の政見放送などを見ていると、だんだんいらいらしてきます。
立候補者は、有権者のレベルを低く見すぎているのではないかとさえ思います。
聞こえてくるのは、甘言・麗句のオンパレードです。
「経済成長に頼らない幸福な社会を実現します」
「一部の金持ちや大企業だけが得をする社会には反対です」
「一人一人の給料が上がり、豊かさを実感できる社会を目指します」
「弱者を切り捨てない、みんなが安心して暮らせる社会福祉を実現します」
「女性も男性も、多様な働き方のできる雇用を目指します」
「地域・学校・家庭が一体となった、いじめのない教育を再生します」
「若者が何度でもチャレンジ精神を発揮できる社会を目指します」
「原発ゼロの安心社会を実現します」
聞いていても、ちっとも関心をひかれません。
そんなことは候補者に言われるまでもなく、誰だってそうしたいと思っています。
国民の誰もが「できるものならそうなってほしい」と、そう願っています。
けれどもほとんどの政党や候補者は、判で押したようなスローガンばかりで、
具体的な施策(方法)は誰も口にしません。
「どうやってそれを実現させるのか」
有権者の一番の関心は、そこにあるのに!
かつての民主党が政権交代を果たせたのは、
それまでの「とにかく反対」と唱える野党政党と違って、
具体的な施策を示してアピールしたからです。
それは有権者に「本当に変わるかもしれない」という期待を持たせたからです。
結局、ふたを開けてみれば、「ある」と言った財源は確保できず、
「できる」と言った施策も実行できるほど勉強していなかったようで、
結果が伴わずに、国民から総スカンを喰らったのはご周知のとおりでしたが。
「政策を語るだけで、施策が語れない政党は信用できない」
「施策が語れても、当の候補者に能力がなければ詐欺に等しい」
有権者は民主党政権の失敗を経て、
選挙に対する意識のレベルが大きく成長しました。
それにもかかわらず、選挙候補者の呼びかけは、
いまだに民主党政権以前の選挙のレベルです。
弱小政党になればなるほどその傾向は顕著で、
まるで「学校の生徒会長の選挙演説か?」
と思うようなレベルのものもあります。
これでは「投票したい政党や候補者がいない」
と言われるのもあたりまえです。
選びようがないのですから。