くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

その場しのぎの公務員宿舎建設の凍結

2011-10-03 23:04:56 | 政治経済のことも考えよう
朝霞公務員宿舎の建設が、再び凍結の方向となりました。

しかし、どうもしっくりきません。
国会答弁で野田首相が、「真に必要な宿舎と判断した結果」と大見得をきった事業は、
安住財務大臣が、「私もNHK時代は、給与では生活できずに宿舎に住んだ」とコメントし、
小宮山厚生労働相に、NHK社員の平均給与は1000万円以上あると明かされ、
舫行政刷新相にいたっては、「(凍結解除は)私が了としている」と発言し、
その三日後に梯子を外される始末です。

結局、内閣支持率ほしさの「行き当たりばったり」、
あるいは増税を容認させるための「まやかし」にしか見えないのです。

だから事業中止や白紙撤回ではなく、「5年間の凍結」なのでしょう。

公務員宿舎建設への批判の本質は、
復興財源や増税の問題ではなく、財政再建にありました。
徹底した無駄使いの削減が急務とされる状況下で、
公務員に格安の宿舎を提供する合理的理由はない、というものです。

朝霞市は、「街づくりのためには必要な事業」としていますが、
一方で「公務員宿舎を建ててほしいと言ったことはない」ともコメントしています。
あまり強行に建設を推進すると、野田政権の返り血を浴びると思ったのか、
先月の議会で反対派住民の申請を否決したばかりの市側もトーンダウンしました。

本質が見えていないから撤回して再議論するのではなく、
凍結にして問題を先送りする。

そんな、その場しのぎの方向転換しかできないようでは、
野田政権もいずれ足元をすくわれるような気がします。