国や自治体が管理する河川や土地の清掃、
草刈などを行うボランティアがあります。
市民が自発的に行うものではありません。
国や自治体が一般市民や会社を募集して行うのです。
ひどいものになると、
参加した会社には、国や自治体が発注する仕事の入札の際に、
評点として加算するというものさえあります。
こうなると企業にとっては、半ば強制のようなものです。
「ボランティアを使って費用を削減しているのだから、良いことではないか」
そのように考える人もいるでしょう。
でも、果たして本当にそうでしょうか?
ボランティアを使う前は、一体誰が清掃や草刈をしていたのでしょう。
もちろん、それは地元の清掃会社や造園会社などです。
国や自治体は予算を節約するため、これらをボランティアに代えることによって、
結果的に彼らから仕事を取り上げることになっているのです。
「機会均等」や「平等」の美名の下、
援助の不要な高額所得者にまで手当を給付したり、
安直な所得補償制度を作って税金をばらまいたりするくらいなら、
本来、使うべきところ、すなわち正当な発注に使うべきです。
それこそが、雇用の確保につながるのです。
民主党代表選挙でも、「雇用、雇用」と声高に叫びますが、
その政策は助成金や給付金など、相変わらずの安直なばらまき中心です。
先の選挙で民主党の「公共工事不要論」が吹き荒れたため、
国や自治体は、民間企業への仕事の発注に引け目を感じているのでしょうか。
また、国民の間には、「公共の仕事で利益を出すことは悪である」
というような風潮が蔓延しているようにさえ感じます。
「金融至上主義」が何も生み出さなかったように、
現ナマのばらまきによる政策も、何も生み出すことはありません。
誤ったボランティアの発想で雇用を奪うのではなく、
税金を正当な労働の対価として使ってこそ、雇用は確保されるのです。