くろねこの散歩道

日々のつれづれを…違った視点で、のんびり書いていきます。

「派遣切り」お祭り騒ぎの裏で、財務省により「セーフティーネット」がどんどん破壊されていく。

2009-01-22 21:13:13 | 生活
こんばんは、くろねこです。

 派遣村とかで馬鹿騒ぎしているうちに・・・裏では、こっそりと。これが世の常です。
 批判の矛先を間違えると自爆するよ~~~

 まさか麻生さんが100年に一度の危機の時に、雇用保険を崩壊させる「閣議決定」するとは思いませんでした

引用開始
雇用保険:保険料率下げ、改正案を閣議決定
 政府は20日、雇用保険の保険料率(年収の1.2%、労使折半)の0.8%への引き下げ(09年度のみ)や非正規労働者への失業手当の拡充などを柱とした雇用保険法改正案を閣議決定した。09年度予算案の関連法案として国会に提出する。
 非正規労働者への拡充策では、派遣労働者などが雇い止めで離職した場合、失業手当の給付条件となる雇用保険加入期間を「離職前2年間に1年」から「1年間に6カ月」に短縮。失業手当給付日数も、倒産などによる離職者と同様に(1)雇用保険の加入期間が1年未満でも90日給付(2)給付日数(90~150日)を90~330日に拡大--とする。

毎日新聞 2009年1月20日 13時06分
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090120k0000e010050000c.html



【底流】雇用保険料率、引き下げで合意 アメ政策 裏に国庫負担廃止の夢
フジサンケイ・ビジネスアイ 2008/12/29


 厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会の雇用保険部会は、2009年度に限って雇用保険料率を1.2%(労使折半)から0.8%(同)に引き下げることで最終合意した。厚労省は非正規労働者支援強化のための雇用保険法改正案とともに、労働保険徴収法の改正案を年明けの通常国会に提出し、4月施行を目指す。

 雇用保険料率の引き下げは、労働者代表委員が猛反発し、有識者の公益委員も「引き下げる合理的説明がつかない」と疑問を呈していた。最終的には、部会長である清家篤慶大教授の取りなしで、政府方針に沿った形で引き下げが報告書に盛り込まれた。

 報告書には労働者代表委員の意見として「雇用保険料率を引き下げる場合や、引き上げる場合は合理的な理由が必要であり、現状においては引き下げるべきではない」という反対意見を付記したことに、議論が紛糾したことが読み取れる。

雇用保険料は労使折半で負担しているため、引き下げは労働者の負担も軽減されるのに、労働者代表委員が猛反発したのはなぜか。その理由は、「雇用保険料率引き下げの裏に国庫負担廃止がある」とみたためだ。

 09年度予算編成では社会保障費の2200億円圧縮と基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げるという大きな懸案の陰に隠れていたが、失業給付の原資である雇用保険の国庫負担金約1600億円の扱いも一つの焦点だった。

 財務省は財政再建のために、雇用保険の国庫負担廃止を狙っていた。雇用保険は07年度末で4兆8832億円の積立金があり、08年度末で5兆円を超える見通しのため、国庫負担を廃止しても支障はないというのが財務省の主張だった。

 これが雇用保険部会を紛糾させる原因になった。雇用保険料率引き下げの審議では、労働者代表委員が「国庫負担廃止を狙うような協議には応じられない」と声を荒らげた。今にも席を立って退席しそうな勢いで、事務方である厚労省を批判した。労働者代表委員の審議拒否により、雇用保険部会の開催が危ういのではといううわさすら流れた。

 ◆給付絞り 増す積立金

 雇用保険の国庫負担率は25%だったが、07年度の法改正で当分の間、13.75%(4分の1の55%)とすることが決まった経緯がある。財務省が主張する「高水準」という積立金は、雇用保険法の度重なる改正で「給付を絞ったから高水準になった」というのが労働者代表委員の言い分だ。

 実際、2000年の改正では自己都合や定年による離職者の給付日数は大幅に削減された。03年には所得が高い人に対して給付カットなども行われた。

 厚労省も「雇用保険は、雇用に関する最後のセーフティーネット(安全網)。国庫負担は国の義務であり、国庫負担をなくすことは国が労働行政を放棄することだ」という姿勢で、一貫して国庫負担廃止に反対した。舛添要一厚労相も「体を張ってでも雇用保険の国庫負担は守る」と何度も明言した。

 巨額の積立金があるといっても、景気悪化で失業者が増加し、失業給付受給者が増えれば、あっという間に底をついてしまう。実際、1993年度に4兆7527億円あった積立金は、02年度には4064億円まで減少した。景気悪化によって徐々に増えていた受給者数が、01、02年度は2年連続で100万人を超えたためだ。

 結局、財務省が折れて、雇用保険の国庫負担は従来通り継続されることが決まった。9月の失業給付の受給者数が60万6000人と1年4カ月ぶりに前年同期を上回ったことや、派遣労働者の契約解除が次々と表面化し、与党にとっても「雇用」が重大な政策テーマになったことなどが要因とみられる。

 太田俊明職業安定局長は25日の最後の雇用保険部会で、「国庫負担の問題では心配をおかけしましたが、09年度予算も閣議決定され、国庫負担廃止はなくなりました」と話し、胸をなで下ろした。

 ◆月700円の「生活対策」

 雇用保険料率の引き下げは個人の手取り収入が増えるので、個人消費の増加に寄与する。企業も負担が減るから、「生活対策」にもなるというのが政府の主張だ。ただ、厚労省が雇用保険収入から試算した平均モデル世帯の収入は月額36万1711円。このモデルケースでは、雇用保険料率引き下げによる労働者の負担減は月額約724円。年間でも約8688円と1万円に満たない額だ。

 中小企業の経営者代表委員からは「カツカツでやっている中小企業には、その程度でも軽減できれば雇用を維持できるところもある」と料率引き下げに賛成意見もあった。ただ「生活対策」としての効果は部会でも大いに疑問視された。

 雇用保険部会ではそもそも、景気後退で雇用情勢が急速に悪化したことで、派遣労働者など非正規労働者雇用保険の給付要件緩和や給付水準拡大を議論することが目的だった。実際、雇用保険の適用条件を「1年以上雇用見込み」から「6カ月以上の雇用見込み」に短縮したり、非正規労働者の受給要件緩和や受給期間の延長など、非正規労働者への支援強化に向けた制度改正を決めた。

 この場で保険料率引き下げが議題となったのは、労使の負担を軽減するという政府の強い要請があったのが真相のようだ。連合の古賀伸明事務局長は「現下の厳しい雇用情勢の中、合理的理由がないままに安易な料率引き下げは行うべきではないと主張してきており、極めて残念」としながらも、「セーフティーネット機能の強化はおおむね評価できる」と制度改正案には歓迎の意を示した。

 11月の完全失業率は前月比0.2ポイント悪化して3.9%となり、12月以降もさらなる悪化が見込まれる。雇用対策関連法案は早期の成立が望まれる。(財川典男)

http://www.business-i.jp/print/article/200812290011a.nwc
引用終了

給付要件の緩和については良いが。。。
  これから一気に失業者が増えるのに、その財源である保険料を下げるなど自爆行為。

 確かに財務省や通産省の役人達は進めたがっていましたが。
 自民創価の麻生さんが、まさかokするとは思いませんでした。


 雇用保険が安くなると言っても、月収36万円のモデルケースで月700円・・・これで何をしろと???
 麻生さんが仰るように景気対策や賃上げですか???

>連合の古賀伸明事務局長は「現下の厳しい雇用情勢の中、合理的理由がないままに安易な料率引き下げは行うべきではないと主張してきており、極めて残念」としながらも、「セーフティーネット機能の強化はおおむね評価できる」と制度改正案には歓迎の意を示した。

 暴風雨が来るのを分かっていながら、「セーフティーネット」の基盤が危うくなる方が、余程危険だと思いますが
 大きく感覚のズレがありますね。

 どんなに給付の内容が改善しても、それを担保する「財源」がなければ「セーフティーネット」にはならない。架空の制度にしかすぎない。


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7 コメント

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何をやってるんだか (仮)山田二郎)
2009-01-23 07:14:40
現状での雇用対策なら無意味。(んな微妙な金銭負担削減で喜ぶ企業なら、雇用なんて増やすわけが無い)
今後の事を考えると、雇用保険は増額すべき時に来ているぐらいなんだが、有権者(労使双方)の反発を恐れて言えないわな、この支持率じゃ…。
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けっこう大きいよ、月額700円 (わくわく44)
2009-01-23 12:00:58
>雇用保険が安くなると言っても、月収36万円のモデルケースで月700円・・・これで何をしろと???

年額8,688円の削減で月額724円の削減ですよね?
これで30人規模の事業所だと、年260,640円の負担減です。
確かに労働者本人は年1万円にも満たないですが、30人規模の事業所で換算すると、1人の1か月分の人件費に相当する金額が浮くことになります。結構大きい金額ですよ。

雇用保険勘定は、保険料収入だけで失業保険給付のみならず、施設の維持や職員の人件費を賄い、しかも6,000億円ほど余る状況ですから、そもそも一般会計からの繰入がゼロでもいいぐらいなんです。
給付額や給付条件を改正前に戻したら、さすがにこれではやっていけないでしょうが、もし、本当に2009年度に限った話で、かつ、給付額や給付条件が現状維持だとしたら、特に財政も逼迫することもありません。
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わくわく44さん (仮)山田二郎)
2009-01-23 23:09:01
ただまあ、給付額はともかく、給付条件を緩和せよと言う流れや主張が勢いを増してますからねー。(特に派遣絡みで)
それに、わくわくさんは理解して発言してるんでしょうけど、財政的に雇用を増やす事が可能な状況になっても、需要見込みが変わらないなら、企業は雇用を増やす事はないでしょうしね。また、こういう状況では、攻撃的な経営者にしても、営業部門での雇用ならともかく、選り好みして愚図愚図言っている連中の希望する製造業などの単純労働は増えやしませんし。

いっその事、劇薬的な処置として、携帯電話を日本中で隔年禁止するとかした方が、面白い結果を得られるでしょうね。(独裁国家でもなければ出来はしないだろうけど)
また、通信販売の禁止なんてのも、面白かったりします。

追伸:某所では、9条教信者達とのやりとり、お疲れ様です。お玉にしても馬鹿野瀬にしてもそうですが、ブログ程度で9条の精神を実現出来ない癖に、利害が複雑に絡み合うリアルで、9条が実現できるわけがない事ぐらい自覚して欲しいものです。
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仮)山田二郎さん (わくわく44)
2009-01-24 00:18:59
レス、ありがとうございます。

>財政的に雇用を増やす事が可能な状況になっても、需要見込みが変わらないなら、企業は雇用を増やす事はないでしょうしね。

そうですね。その状況だと、一時的に雇用を維持することはできても、あくまでも雇用先にとっては「貯金の取り崩し」のようなもので「収入が増える」わけではないですから、雇用を増やすことは難しいと思います。

>また、こういう状況では、攻撃的な経営者にしても、営業部門での雇用ならともかく、選り好みして愚図愚図言っている連中の希望する製造業などの単純労働は増えやしませんし。

これは少し反論ですね。(といっても全否定じゃないですが・・・。)

まず、私は製造業を単純労働だとは思っていませんよ。QRのように、創意工夫で「経営」を視野に入れた労働者自らの職場改善を行っているレベルの高いところもあります。企業の大小を問わずに、ですね。中小零細でも、頭が下がる思いをするような素晴らしい企業はたくさんあります。

次に、大量に採用する企業でも、そして、営業、総務、製造、いずれの部門にしても、選り好みしてグズグズ言っている連中など雇用しません。
これは、経営者の理論で「労働生産性が低いから採用しない」のではありません。労働者側の論理で「こいつと一緒に仕事したくない」という空気を作る原因になる人など、「労働者のために」採用しないのです。ほどんどの経営者は、生まれながらにして経営者ではなく、若いうちは、労働者として雇用された側だったのですから、労働者の気持ちは理解できます。

経営者が経営者としての視点でしか動いていないと思っていたら大間違いです。
「同じ労働者」からも同情されるどころか「君が不採用になったのは当然だよ。だって、私は君と働きたくないから。」という状態で不採用になるような状況なら、これは景気やCSRなどとは関係なく、純粋に「本人が悪い」のです。
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Unknown (くろねこ)
2009-01-24 00:40:36
仮)山田さん、わくわくさん、こんばんは。

 わくわくさんレス読んで、中小事業主の視点が抜けていたなと…ふと気がつかさせてもらいました。
大企業と派遣ばかりに目が行き過ぎていて…

 今回の件も、冷静に見れば一番キツイであろう中小事業主にとっては、実質的に「減税」ですものね。
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くろねこ様 (わくわく44)
2009-02-06 01:32:50
さるお方から、経営者・投資家・大企業擁護・自公政権擁護、さらんは「ベーダー卿」という、なんともまぁ、大物の称号をいただいておりますが、私が最も着目しているのは、むしろ中小零細企業ですよ。

日本の国際競争力は、技術面で鍵を握っているのは、実際は中小零細企業が多いんです。

最も多いケースは、技術面の開発部門を「子会社化」させたというケースですね。

次に多いのは、「職人の世界」。能力がある人は「鶏頭となるも牛尾となるなかれ」で、独立心が旺盛だ、ということがあります。組織の歯車になりたくない、という人たちということですね。

また、大企業の子会社でも「販売会社」や「開発部門」となると、同じ地位・階級ならば、親会社よりも上座になります。

しかし、長年の「保護政策」で胡坐を嗅いでいたのも中小零細が多いのもまた事実で、大店法が改正された結果、淘汰されたのもあります。
この件でいろいろと私は言われましたが、私を批判した愚か者どもは、結局消費者に「同じ品質の商品を、サービスが悪いのに、サービスが良い店よりも高い値段で買わないといけない」ということを推奨していることに気づかない。
もっとも、それを指摘したら「拝金主義」という返答もあるんですけどね。自分で商売をする気もないくせに、私を嫌悪したり批判したいという思想信条、感情感性は抱くな、ということです。(笑)

私がなぜ、中小零細でも、淘汰された側に厳しいのか、といえば、私自身が、大店舗を相手に努力を重ねている人たちを知っているからです。

大店舗を短期間で撤退に追い込んだ商店街がありますからね。本当にすごいですよ。「こんなにポテンシャルがあったのか」と驚かせてもらったぐらいで、確かに大店舗が進出する前よりも、撤退させた後の方がにぎわいがあります。

こういう人たちにとって、私を批判した人の発言は、「こいつ、俺をナメてんのか?バカにしてんのか?」って、単に激怒するだけです。「弱者の立場に立って、わくわく44に反省を促す」と信じ込んでいるのが哀れですが、現場を知らない人というのは、こういうもんなんでしょう。
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Unknown (くろねこ)
2009-02-09 22:48:08
>わくわくさん

 地方中小都市では「商店街」として生き残る事は厳しいと思います。
 もちろん県庁所在地や一定数以上の人口を抱えている都市ならば、わくわくさんの仰る事も可能だと思います。「商店街」が「大規模店舗」を追い出す事もやり方次第では出来るかも。

 ただ田舎中小都市でも「商店街」として生き残る事は不可能でも、「商店」は生き残る事は可能だと思います。

 地方の田舎都市では、「街全体」でピンポイントで強い小規模店舗が点在していたら・・・面白いと思います。価値がある良い物があれば、人間は必ずそこに行きますから。
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