四川省大地震の被害状況が明らかになってきましたが、死者は2万人近くに達しようとしています(
特集:四川省大地震(読売新聞))。これはひどいです。震源地に近く、多くの死者を出している
綿陽市には2005年に出張で訪れたことがあるだけに、今回の震災は他人事ではありません。
綿陽は省都の成都から高速バスで1時間30分ほど北上したところにある地方都市です。四川省という内陸部にある聞いたことのない町ということで、いったいどんなところだろうか、と当時は内心ちょっと不安だったのですが、今まで訪問したことのある中国の町の中でも際だって整然としていたので驚きました。
実はこの町は、宇宙や軍事と深い関係のある研究所、企業が集積した町なのです。おそらくインフラ整備などで国から様々な優遇を受けていたのでしょう。私がこの町で訪問したのが、長虹(チャンホン)という中国最大のテレビメーカーなのですが、長虹も元々は軍需工場を起源とした企業です。
長虹の本社です。中国最大ですから、世界最大ですね。
この時の出張ではかなり時間が余ったので、タクシーをチャーターし、研究所が集積する「中国科技城」という地域をぐるりと回ってみました。本来は外国人の立ち入りが制限されている地域に勝手に入り込んだので、堂々と写真を撮ることができなかったのですが、研究棟と研究者の宿舎が建ち並び、まるで筑波のようなところでした。
なお、綿陽だけでなく、隣の徳陽という町にも軍事関係の施設や工場が集積していると聞いています。
まだ時間が余ったので、三国志とゆかりの深いお寺にも行ってみました。ここは良いところでした。なかなか雰囲気の良い寺でしたし、中国の観光地にしては清掃が行き届いており、しつこい土産物売りもおらず、ゆっくり散策することができました。
お寺から眺めた綿陽の町です。今回の震災で倒壊した建物もあったことでしょう。
亡くなられた方々にはご冥福をお祈りすると共に、できるだけ早く被災地が復興することを願いたいと思います。