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最近ちょっとお疲れ気味

吉岡秀子「セブン-イレブンおでん部会 ヒット商品開発の裏側」

2008-05-09 23:44:01 | 読書
 吉岡秀子「セブン-イレブンおでん部会 ヒット商品開発の裏側」(朝日新書)を読みました。読み始めは「セブン-イレブンをヨイショする提灯記事みたいだなあ」と思いましたが、読み終えた頃にはセブン-イレブンの徹底的にユーザーサイドに立った商品開発のあり方には感銘を受けました。

(以下表紙より引用)
こんな増え方、だれが信じられるか!
1974年 1号店、出店
1980年 1000店、達成
2003年 1万店、突破
いかにして、セブン-イレブンは、来客1日1千万人の規模に成長したのか。おにぎりを舞台にした母の味追求大作戦。飲むためのおでんスープ。究極の「フワッ」「サクッ」メロンパン。
「いつも消費者が正しい」で勝ち抜く、コンビニ王者の商品開発史を一挙初公開。
(引用終わり)


 本書はセブン-イレブンの、(1)おにぎり、(2)メロンパン、(3)調理めん、(4)おでん、(5)サンドイッチ、(6)カップめん、(7)アイスクリーム、(8)お菓子&デザート、の商品開発について取材、紹介しているのですが、いずれの商品開発にも共通しているのが「作り手の都合で商品を作るな」という哲学です。ユーザーニーズをくみ取って、おでんのだしには高級料亭向けの鰹節を使ったり、お母さんが握ったおにぎりの味を実現するため専用の冶具を開発したり、メロンパンへの砂糖がけは熟練者が手作業で行ったり、それは大変な努力を重ねています。
 このようなこだわりの商品開発はユーザーにとって嬉しいことですし、だからこそセブン-イレブンはコンビニの中でも高い支持を得ているのでしょう。

 けれども、同社を支えるメーカーなどには重い負担がかかっているのではないかなあ、とちょっと気になりました。