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最近ちょっとお疲れ気味

秋山雅弘, 原口英紀「デジタルプロセス・イノベーション―製造業再生のシナリオを詳解」 (日経BP)

2008-05-04 23:06:57 | 読書
 秋山雅弘, 原口英紀「デジタルプロセス・イノベーション―製造業再生のシナリオを詳解」 (日経BP)を読みました。私が読んだのはこれが2回目です。ちなみに著者の1人の秋山氏は、3D-CADシステムの開発、コンサルティングを行う株式会社アルモニクス/(浜松市)の代表取締役として、現在でも積極的に製造業のデジタル化について発言されている方です。

(目次)
1.ものつくり産業の危機
 1章 日本のものつくり
 2章 海外をみると
 3章 ものつくり産業のゴールとは
 4章 デジタル・プロセス・イノベーションとは
 5章 デジタルエンタープライズとは
2.3次元データによる変革
 1章 CADの基礎知識
 2章 CADの現状と今後
 3章 ものつくりと3次元
 4章 3次元化の扉の向こうに
3.生き残り戦略
 1章 生き残りのための変革
 2章 ここがいけない、できていない
 3章 失敗しないシステム選定
 4章 差別化のために
 5章 事例に学ぶ
4.製造業の未来、日本の未来
 1章 未来の日本のものつくり
 2章 政治・行政への期待
 3章 デジタルシティ


 古い本(2001年初版)ですが、CADの基礎知識から、3D-CADが製造業に与えるインパクトとは何か、システム選定のあり方、今後の日本の製造業のあり方までを、私のような素人でも大変わかりやすく解説した良書であると思います。私は本書を読んで、3次元化のメリット(①形状把握、②プレゼン、③加工、④製品解析、⑤生産解析、⑥自動図面化、⑦自動帳票化、⑧検査)、3D-CADとPDMやCRM、SCMなどとの関係について理解することができました。
 本書が出版されてからもう7年も経っており、その間にハードウェア、ソフトウェアはすさまじい勢いで進歩しています。したがって、本書に記載されている情報には役に立たないものもあるかとは思います。しかしながら、3D-CADによる製造業のデジタル化による競争力強化についての基本的な考え方については、本書からは依然として学ぶべきものがあると思います。