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アニメ「図書館戦争」が面白い

2008-05-05 01:52:51 | Weblog
 この4月から木曜深夜に放映されているアニメ「図書館戦争」。これは本好き、図書館好きな私には実にこたえられないアニメです。

「図書館の自由に関する宣言」

第1 図書館は資料収集の自由を有する
第2 図書館は資料提供の自由を有する
第3 図書館は利用者の秘密を守る
第4 図書館はすべての検閲に反対する

図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。


 これは社団法人日本図書館協会が1954年に採択した、「図書館の自由に関する宣言」の骨子です。まさに図書館は日本国憲法が定める表現の自由、思想の自由を守る牙城といえるでしょう。

 そんな図書館が、表現の自由、思想の自由を規制しようとする勢力から武力によって脅かされたら、どうするのか。「図書館戦争」では、図書館の自由を守るために"図書隊員"たちが武装して反撃するのです。

(以下、番組公式サイトより引用)
  2019年(正化31年)。公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる『メディア良化法』の成立から30年が経ち、メディア良化委員会と図書隊が抗争を繰り広げる日本。
 念願の"図書隊員"として採用された笠原郁は、両親に、図書隊の中でも危険の伴う防衛員志望だとは言い出せないまま、軍事訓練に励む毎日を送っていた。郁は高校時代、書店でメディア良化隊員に本を奪われそうになったところを、一人の図書隊員に救われたことがある。その「正義の味方ぶり」に憧れ、顔も憶えていない図書隊員を王子様と慕い、自分も図書隊に入隊して本を守ることを決意したのだ。
 やがて、卓越した運動能力と情熱が買われ、郁は、エリートによる精鋭部隊である"ライブラリー・タスクフォース(図書特殊部隊)"に配属されるのだが……。
(引用終わり)


(予告動画)



 「図書館戦争」の原作はいわゆるライト・ノベルなのですが、原作者はかなり自衛隊の組織について取材しており(日経ビジネスの記者による原作者へのインタビュー記事参照)、このためアニメも"図書隊員"たちの訓練や軍事行動の表現が実にきめ細かくリアルなのです。なお彼らは平時には一般の図書館員として勤務しているのですが、この様子の表現もまたリアルです。なんといってもアニメのエンディングロールには、「協力 社団法人日本図書館協会」というクレジットが入っていますし。。。こうした細部にわたるリアルな表現、そして「体育会系」で恋愛下手なヒロインが繰り広げるコミカルなラブコメが、物語を面白くしています。
 そもそも、図書館内で激しい銃撃戦が繰り広げられるなど現実にはありえない物語であるとはいえ、現実社会でも表現に対する規制を強めようとする動きが見られることから、スムーズに物語の世界に感情移入できるような気がします。

 また、興味深いのが、例によってこのアニメも中国の某動画サイトで早速中国語の字幕付でアップロードされていることです。表現の自由、思想の自由が大きく規制されている中国人の若者たちは、このアニメをどんな気持ちで見ているのでしょうか。

 たかがアニメ、たかがライト・ノベルと侮ることができない作品であると思います。