歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

キヤノンモールドを訪問してきました

2008-05-13 23:17:12 | Weblog
 茨城県笠間市のキヤノンモールド株式会社を訪問してきました。精密小物のプラスチック射出成形用金型の分野ではおそらく日本でトップクラスのメーカーです。ここはもともとイガリモールド株式会社という金型専業メーカーだったのですが、2004年にキヤノンの子会社となり現在に至っています。

 同社はキヤノンの金型内製化戦略を担い、キヤノンの仕事のみをやっているとばかり思っていました。しかしお話を伺ってみると、キヤノン以外の仕事の方が多く、カメラ、OA機器だけでなく、自動車部品、医療機器、食品容器などを成形する金型も生産しています。見るからに難しそうな複雑形状の製品の金型も手がける一方、ヨーグルトやミント菓子の容器、歯ブラシなど「この手のものを成形する金型、中国とかで作るんじゃないの?」と思ってしまう金型も手がけているので、面白いなと思ったのですが、後者のような製品を高精度で安定して大量生産する金型を作るには、実は大変な技術が必要だということを知りました。

 工場の中も拝見しましたが、高い精度を実現するために最高の環境が用意されている金型工場だと思いました。操業は1直なのですが、精度に狂いが生じないように、工場内は空調によって24時間365日温度が一定に保たれています。そして休みの日も空調は止められることはありません。また、同様の理由でダイセットは内製化され、熱処理も内部で行われています。もちろんそのための設備は最高のものが用意されており、特にダイセットの工場には1台1億円はするような大型のマシニングセンタがずらりと並んでいました。

 しかし一番印象に残るのが、工場入口に掲げられた「金型」と書かれたこの看板です。イガリモールド時代からのもので、金型というものを強くアピールするために掲げられたものなのですが、それにしても目立ちます。かつてこれを中華料理屋の看板だと勘違いした人が車で工場内に入ってきたことがあったとのことですが、さもありなんという気がします。個人的には中華料理屋というよりむしろ焼肉屋といったイメージなのですが。。。
 金型はその産業としての重要性に比して、一般には認知度がまだまだ低い状況にあります。勘違いはちょっと困りますが、これぐらいのインパクトを与えるPRが金型業界にはもっとあってよいのではないでしょうか。