――過去を嘆くより、いまを変えようと思うことが大事。
11話にわたって放送された「プロポーズ大作戦」で行き着いた結論です。
もはやこの言葉は常套句。
そんなメッセージを最後に放つことは、
視聴者の大半が想像していたことでしょう。
おそらくその言葉は番組制作当初、
“妖精”ではなく“ソクラテス”に言わせたかったはずです。
前の記事でソクラテスの存在意味が不明だと書きましたが、
彼はもともと警句を言う立場にいたのでしょう。
しかし、思いのほかキャラが動かず出る幕もなく、
最終的には中途半端な立ち位置になってしまったものと思われます。
換言すれば、妖精に存在とセリフを喰われてしまったわけです。
2007年6月25日、余韻の残る形で物語を終えた「プロポーズ大作戦」。
主人公の“岩瀬健”(山下智久)は現時間で自分の気持ちを伝え、
ヒロインの“吉沢礼”(長澤まさみ)は結婚式場を抜け出しました。
礼もまた自分が素直になれず、一方的に諦めてしまったことに後悔を覚え、
過去に戻りたいと思いながら妖精と面会。
新ドラマ「プロポーズ大作戦 吉沢礼編」が始まるのかと思いきや、
――過去を嘆くより、いまを変えようと思うことが大事。
という教訓が活かされました。
まだ遅くはないと妖精に言われ、健を追いかけるのです。
奇跡の扉を開ける鍵は、健の現時間での告白だったことがわかります。
その扉を開けると、過去に戻って変えてきた時間が礼の心に響きました。
そして、式場を去った健を追いかけるという展開に……。
過去の数時間を変える作業が外堀を埋める作業なら、
現時間での告白は本丸攻めと言えます。
いきなりの本丸攻めでは、彼女は健を追いかけなかったかもしれません。
また、それは妖精の援軍なしには成立しませんでした。
とはいえ、物語は2人の関係の決着をはっきり描かなかったため、
健と礼が結ばれたどうかはわかりません。
あのまま2人は結ばれたかもしれないし、
あるいは礼は多田(藤木直人)の待つ結婚式場に戻ったかもしれません。
礼の健を呼ぶ声で幕を閉じましたが、
あれが本当に彼女の声かどうかも怪しいところです。
自称「妖精」も、実はジョーカーだった可能性もあるわけです。
太宰治風に言えば「過去よりもいまが大事」。
しかし、過去がなければ「いま」という概念がないのも事実です。
“いま=過去”であり、本来ならば両者は一線を画すものではありません。
「過去に戻る」とは物理的以上におかしなことです。
とはいえ、記憶の中の時間を追体験する「プロポーズ大作戦」は、
観る者のノスタルジーをくすぐりました。
健の何年も続く強い“想い”がなければ、妖精も現れなかったでしょう。
ドラマは終わりましたが、ある日突然妖精がやってくるかもしれません。
そして、過去に戻るかどうか訊ねてきて……。
それは自分ではなく知人のところにやってくることもあるはずで、
突然妙なことを言い出したら、妖精がいると疑ってよさそうです。
11話にわたって放送された「プロポーズ大作戦」で行き着いた結論です。
もはやこの言葉は常套句。
そんなメッセージを最後に放つことは、
視聴者の大半が想像していたことでしょう。
おそらくその言葉は番組制作当初、
“妖精”ではなく“ソクラテス”に言わせたかったはずです。
前の記事でソクラテスの存在意味が不明だと書きましたが、
彼はもともと警句を言う立場にいたのでしょう。
しかし、思いのほかキャラが動かず出る幕もなく、
最終的には中途半端な立ち位置になってしまったものと思われます。
換言すれば、妖精に存在とセリフを喰われてしまったわけです。
2007年6月25日、余韻の残る形で物語を終えた「プロポーズ大作戦」。
主人公の“岩瀬健”(山下智久)は現時間で自分の気持ちを伝え、
ヒロインの“吉沢礼”(長澤まさみ)は結婚式場を抜け出しました。
礼もまた自分が素直になれず、一方的に諦めてしまったことに後悔を覚え、
過去に戻りたいと思いながら妖精と面会。
新ドラマ「プロポーズ大作戦 吉沢礼編」が始まるのかと思いきや、
――過去を嘆くより、いまを変えようと思うことが大事。
という教訓が活かされました。
まだ遅くはないと妖精に言われ、健を追いかけるのです。
奇跡の扉を開ける鍵は、健の現時間での告白だったことがわかります。
その扉を開けると、過去に戻って変えてきた時間が礼の心に響きました。
そして、式場を去った健を追いかけるという展開に……。
過去の数時間を変える作業が外堀を埋める作業なら、
現時間での告白は本丸攻めと言えます。
いきなりの本丸攻めでは、彼女は健を追いかけなかったかもしれません。
また、それは妖精の援軍なしには成立しませんでした。
とはいえ、物語は2人の関係の決着をはっきり描かなかったため、
健と礼が結ばれたどうかはわかりません。
あのまま2人は結ばれたかもしれないし、
あるいは礼は多田(藤木直人)の待つ結婚式場に戻ったかもしれません。
礼の健を呼ぶ声で幕を閉じましたが、
あれが本当に彼女の声かどうかも怪しいところです。
自称「妖精」も、実はジョーカーだった可能性もあるわけです。
太宰治風に言えば「過去よりもいまが大事」。
しかし、過去がなければ「いま」という概念がないのも事実です。
“いま=過去”であり、本来ならば両者は一線を画すものではありません。
「過去に戻る」とは物理的以上におかしなことです。
とはいえ、記憶の中の時間を追体験する「プロポーズ大作戦」は、
観る者のノスタルジーをくすぐりました。
健の何年も続く強い“想い”がなければ、妖精も現れなかったでしょう。
ドラマは終わりましたが、ある日突然妖精がやってくるかもしれません。
そして、過去に戻るかどうか訊ねてきて……。
それは自分ではなく知人のところにやってくることもあるはずで、
突然妙なことを言い出したら、妖精がいると疑ってよさそうです。
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