与兵衛新田の稲荷神社には……（４） ―狐の嫁入り―

この神社では神楽が催されていたのでしょうか？
しかし、地元の人に訊いても首を傾げるばかり。
『埼玉の神社』にもそれらしいことは書かれていません。
ただ、かつて例祭のときに“万作踊り”や“素人芝居”を奉納したとあるから、
それに関するものかもしれません。
『埼玉の神社』に記された与兵衛神殿の稲荷神社の信仰は以下のとおりです。

・元旦祭→地区の新年会を兼ねて実施。直会で酒肴が出る。
・初午→早朝、スミツカリ（郷土料理）を神前に供える。
　　　　翌朝は「雹嵐除けのお参り」と称し老人が参詣する。
・秋葉神社の例祭→４月18日に行われる。直会をし、氏子は参詣する。
・子ども御輿→７月７日～15日にかけて、天王様とも呼ばれる御輿が覆堂に飾られる。
　　　　　　　御輿を担ぐか否かは子どもたちの気持ち次第。
・例祭→２月10日に行われる。かつては万作踊りや素人芝居が奉納されたが、
　　　　現在はカラオケ大会が行われている。
・お日待→10月15日。かつては農休みの日だった。

ここで、“お嫁さん”を探している人に耳寄りな情報です。
実はこの神社は縁結びの神様。
この神社に油揚げを供えて祈願すると叶うと言われています。
これは「キツネの嫁入り」を由来としているようで、
婿探しに効くのかどうかはわかりません。
あまつさえ、当社に祀られているのが荼枳尼天像なので、
嫁祈願が無難でしょう。