クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

「3年B組金八先生」の“江藤清花”は脱ネットカフェできた?

2007年10月12日 | レビュー部屋
見たら最後。
つい引き込まれてしまう「3年B組金八先生」。
見た目は冴えないおっちゃんなのに、
不思議と心を惹きつける熱さを持っています。
しかし、ウィキペディアによると、
新任教師がまず最初に言われるのは、
「金八先生の様になろうとするな」
という言葉なのだそうです。

1979年に放送開始の金八先生。
当時といまの教育事情やその環境はまるで違うのでしょう。
2007年版に登場した「ネットカフェ」「裏サイト」などは、
1979年当に「ネ」や「う」の字もなかったと思います。
また、生徒の性格や抱える心の闇も違うのかもしれません。
子を持つ親の性格も……。

第1回に登場した“江藤清花”(水沢奈子)はネットカフェで寝泊まりする少女でした。
学校ではいわゆる“いい子”。
勉強もできて真面目で、面倒な問題も起こしません。
しかしその心には深い闇が落ち、孤独に包まれています。
勉強のできる弟を溺愛する両親の前で彼女は自分の居場所を失い、
夜ごと家を出てはネットカフェで空虚な時間を過ごす……。

いささか安易な設定ですが、
そんな彼女を救うきっかけになるのは金八先生と茨木のり子の詩です。
清花は自分と向き合い強く生きていこうと決意します。
入り口からひとつの出口に辿り着く。
その過程のトンネルにいるのが金八先生です。

彼は手をさしのべることはしますが、
生徒を救うわけではありません。
あくまでも出口までの指標を指し示すだけです。
彼の仕事はそこで終わり。
いちいち出口まで手を引っ張っていかないのは、
つまるところ壁を乗り越えるのは本人自身だからでしょう。

教師はその乗り越え方に助言はしますが、
手を貸したり全面協力するのはお門違い。
突き放すわけでもなく献身的なわけでもない。
金八先生はやや後者よりだとしても、
その後の行方は相手に委ねています。
江藤清花はそんな金八先生や、彼が紹介した茨木のり子の詩に触れ、
自らその出口へと向かっていくのでした。

放送開始から30年近くが経とうとしている「3年B組金八先生」。
いまは“モンスターペアレント”という言葉が使われている時代です。
今回はどんな事件が勃発するのでしょう。
時代が大きく変化しても、
金八先生が生徒に向けるまなざしは変わらないのかもしれません。
ただ、ときに見過ごしもあるようですが……。

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2 コメント

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モンスターペアレント (はと)
2007-10-12 09:07:48
「うちでは子供に掃除なんてさせません!だから学校でもさせないで」という親がいると聞きました。
我が子可愛さが高じてそんなふうになるのでしょうが、その発想は理解できません。
私には三人の子どもがいますが、それぞれみな違って楽しいです。もちろん悩みは尽きないですが。

クニさんのように多才な息子さんをおもちのお母様が羨ましいです^^
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変わったのは子よりも…… (クニ)
2007-10-13 00:39:36
はとさん

コメントありがとうございます。
多才だなんてとんでもないです。
ただの下手の横好きです(^^;)
両親には迷惑ばかりをかけてきたので、親孝行したいです。

モンスターペアレントは想像以上にすごいようですね。
確かに「掃除なんてさせません」という教育方針は、
一体どこから出てくるのか不思議です。
子どもよりも親が変わったかもしれませんね。
お子さんが3人いらっしゃるということで、
それぞれ個性があるのですね。
確かに同じキョウダイといえど、性格がまるで違うのは不思議です。
同じ釜の飯を食べているのに……。
でも、それぞれ違うから「楽しい」って気持ち、わかります(^^)
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