AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

このままでは、今よりレベルが下がっていくだけ

2016年04月28日 | 研究
大阪大学の外国語学部の図書館が定期購入する雑誌を減らすという記事をとても暗い気持ちで読みました。

愛教大も予算の削減のため、普通の、教育・研究活動ができない状況になっていっています。


科研費をはじめ、様々なプロジェクトに応募して採択されるのはいいのですが、

別記事にあったグローバル大学の予算のように、ふたを開けると、予定されていたよりも少ない予算の配分であったりして、予定の活動ができないということもままあり、

加えて、そのプロジェクトのために、自分自身の、また、研究分担者になっている科研のほうが全く進められないという笑えない状況も発生しています。


定期購入する雑誌を減らすということは、学生さんが自分で学ぶ機会を奪っていくということにほかなりません。

教員の授業を一つの授業でたかだか15回聞いただけですべてがわかるわけがなく、前提としては自分たちで調べ学ぶ時間があるのが当然の授業時間であり、

中でも自分が専門にしているものであれば、さらに多くの本を読むことを期待しているわけです。


教員の授業だけで終われば、その学生さんは、教員を超えることは絶対に無理です。

私自身の授業でも、私の知っていること、理解していることのすべてを伝えきっているわけではないからです。


文系の学問は確かに成果が見えにくいかもしれません。

なんの役に立つのか、という議論をする方が多いのもわかります。


でも、成果が見えにくく、また、上がりにくく、収入に結びつかないものであればこそ、国が税金で支える必要があると思うのです。

本がまともにそろっていない大学の図書館なんて、

誰が好き好んで進学先や研究拠点にしようと考えるでしょうか。


自分の給料が増えないのもつらいですが、

勉強しようとする学生さんたちが、本来大学が備えるべき書籍を、自腹で買っているのを見ると、つらい気持ちになります。


この国は、人材の養成をどう考えているのか。

一度、途絶えたら、元に戻すには数世代かかることだと思うんだけどなー。
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