箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

心霊探偵 八雲―赤い瞳は知っている[1]:都戸利津/(原作)神永 学

2008-05-04 02:59:06 | 漫画[少女]
別冊花とゆめにて連載終了

『心霊探偵 八雲―赤い瞳は知っている』の漫画版。
全2巻で完結している。

大学2年生の小沢晴香は、キャンパス内にある
映画研究同好会の扉を叩く。晴香の友人が3人で肝試しに行き、幽霊を見たという。
その内1人が倒れ、いまだ意識がはっきりしない。その友人を助けるため、
超能力があると噂される斉藤八雲の協力を仰ぐために。

扉の向こうにいたのは、寝癖の付いた髪と眠そうな目をした
晴香と同じ大学2年生の男。
超能力はないが幽霊を見ることができるという八雲とともに
友人に憑り付いた霊についての調査をすすめるうち、
晴香自身も殺人事件へと巻き込まれていく。

+ + +

 久々Reborn以外の作品の感想。
本の裏表紙に書かれてある言葉と赤い左目の表紙イラに惹かれた。

無愛想でマイペース、口を開けば皮肉と毒舌。
霊の姿を見、声を聴くが除霊は出来ない。
霊の残すメッセージを解き明かし、生者の罪をあばく―――!


元々「推理モノ」「皮肉口調」というものに惹かれやすいのだが、
『霊が見えるけど除霊はできない』という設定が、本を手に取るきっかけだった。
冷静に考えれば、現実的にそういう人は多々いるどころか寧ろ大多数なのだろうが、
漫画や小説の設定としては珍しいと思う。

霊を映す赤い左目を持つが故、世間の奇異の目にさらされてきた八雲は
普段は黒いコンタクトでその瞳の色を隠している。
しかし、あるきっかけでその瞳を見た晴香は、八雲が今まで出合ったことのない
反応を見せる。このシチュエーション自体はありがちなのだが、
ぶっきら棒で類稀なる皮肉屋である八雲の抱える闇や、
ふとした瞬間に見せる優しさ、何よりずば抜けた頭脳に魅せられた。
晴香も、明るい性格ながら能天気というわけではなく、
どこにでもいるような普通の女の子というのも、またよい。

今巻には原作の第1巻のちょうど半分にあたる「FILE1 開かずの間」1~3話(完結)
「FILE2 トンネルの闇」1(前編)が収録されている。
原作と異なる部分もあるが漫画版のほうが明るく、話にも救いがあるのは
掲載誌の傾向によるものかもしれない。

近々、原作についても感想を述べたい。


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