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ブログ 古代からの暗号

「万葉集」秋の七草に隠された日本のルーツを辿る

謎解き詠花鳥和歌 残菊と白鳥 11 于闐(ホータン)にもあった牛頭山

2015-02-04 19:45:25 | 日本文化・文学・歴史
1月12日にNHKBSプレミアムでタレントの壇蜜さんがネパールのチベット仏教や
ヒンドゥ教の寺院を訪ねる番組『死とエロスと旅』をみました。この番組の映像中ほんの
一瞬でしたが寺院の入り口に大きな牛の伏した像がありしかもお尻が参拝者に向いていた
のです。
昨年の10月~11月のブログに記したホータンの古名・瞿薩旦那国(梵語のゴースタナ
=牛の国)の瞿摩帝(梵語のゴーマティ=牛の糞=清浄なもの)の名残りが今に生きてお
り広隆寺の奇祭<牛まつり>を描いた江戸時代の絵図から東の果ての日本に同根の伝えが
あったのだと思いました。

また『大唐西域記』を残した玄奘三蔵より200年ほど前に西域からインドへ求法の旅を
した法顕(337~422)の『仏国記』(『法顕伝』とも)に記された<瞿摩帝>を日
本では<牛王>と解釈し牛王宝印の護符を発行した寺社のひとつ紀州の熊野速玉神社の祭
神が西域で発生したといわれる兜跋毘沙門天像(現東寺蔵)の宝冠とほぼ同じ形の冠帽を
被っていました。日本と西域(ホータン)と結び付くものがまたひとつ現われたのです。

私の推量では
 牛の国(瞿薩旦那国・于闐・和田・コータン)→牛の糞(ゴーマティ・瞿摩帝)→広隆寺
 牛まつり→牛王宝印→熊野速玉神→牛頭天王→スサノオ→新羅・牛頭山
の図式が成立するのではと思います。ただ神像や仏像が同じような冠帽を被っているだけ
では確たる証拠にはなりません。ホータン側にこの図式と結び付くものを見つけたいと思い
『敦煌の民族と東西交流』(2012年㈱東方書店)を買いました。著者は北京大学栄新江教授
日本語に訳され、京大教授が鑑訳者てある一般教養書です。この本の中に私の望んでいた
記述がありました。

敦煌の莫高窟に残された仏教芸術の中に于闐に関わる瑞像図(釈迦牟尼の生涯のワンシーン
を絵画化したもの)が27ほどあるそうですが、どのような場面が描かれているのかの説明
文が24ありました。その中の一文に

  <釈迦牟尼仏従霊鷲山向(于闐)牛頭山説法来>
 訳・釈迦牟尼仏が霊鷲山(りょうじゅせん)から(于闐の)牛頭山(ゴスリンガ)に説法に
   来る。

があり、于闐に<牛頭山>があったのです。
于闐の<牛頭山>は梵名gosirsa(ゴーシールシャ)又はgosringa(ゴースリンガ)牛角山・牛
         角峰山とも
<霊鷲山>とはインドのビハール州(かつては摩訶陀国王舍城の東北)の山で釈迦牟尼が無
量寿教、法華教を説いたという所です。

この本に載る瑞像の例をお目にかけましょう。

① 莫高窟第237窟西壁

   <于闐国舎利佛毘沙門天王決海時>
  訳・于闐国で舎利佛と毘沙門天が湖を突き刺した時。

② 莫高窟第154窟南壁

   <北方毘沙門天王守護于闐国>
  訳・北方毘沙門天于闐国を守護する。

 この瑞像の被る冠の形が興味深いのでグループ化してみました。
 
 毘沙門天

  図1 敦煌莫高窟第154窟毘沙門天王瑞像
  図2 兜跋毘沙門天画像 スタインの収集した敦煌画 英国大英博物館
  図3 毘沙門天画像  京都 醍醐寺
  図4 観音教冊子  英国大英図書館

 兜跋毘沙門天の筒型冠

  図1              図2             図3            図4

  図1 熊野速玉大神 熊野速玉大社
  図2 出雲男神  松江市成相寺
  図3 敦煌莫高窟第154窟于闐国王?
  図4 兜跋毘沙門天像 奈良国立博物館

 チベット風服制を示した諸尊仏龕。下図は全体図、上図は四天王の部分図、右手で宝塔を持つのが多聞天。
                
③  <于闐フェー摩城中彫檀瑞像>
  訳・于闐のフェーマ城にあった栴檀を彫刻した仏像の瑞像

  大乗仏教以前の増一阿含経28に優闐王が牛頭栴檀像を執って如来に造像の得福を問う
  記述があり、これと一致している。牛頭栴檀とはインドの摩羅耶山(マラヤ山一名牛頭山)
  に産する香樹の名。白檀説もある。

仏教で牛頭山がとても重要な山の様ですが何故かはわかりません。
 











 
















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