まいにち が SUNDAY     

(こまっち)の 出雲弁日記。

弁当のこと。

2007年06月27日 | 雑記帖

また弁当の話し。
ある学校の寮生活をして居た時代の事。
戦後間もない時で、日本国中食糧難で、喘いでいました。
うちの寮とて、その例外では無く、育ち盛りの子供の空腹を満たすだけの量など有りませんでした。

そこで、寮の庭や、一時は学校の校庭までも畑にして、芋・野菜などを作って補給していたものです。

そんな中で、朝食が終わると、食堂の棚に置いてある、各自の弁当箱を持って部屋に帰り、登校の準備をするのです。
その弁当箱なるもの、戦時中、家から持って来たアルミ製のものなど、強制的に供出させられ、代わりにもらった、杉板で作ったお粗末なものでした。
でも、それが我々の一番の宝の箱のように思っていました。(なにもその弁当箱を食う訳じゃーないのですが)何しろ腹が減っては・・・ですからね。

さて、話しをもとにもどしましょう。
弁当を机の上に置き、便所(当時はトイレなどとは言いません)にいって帰り、鞄に入れようと持ち上げた、軽い ・ 開けてみた ・ 中身が無い!!
驚きのあまり、大きな声で「メシが無い」と言おうとしたが、一瞬なぜか、小さな声で「あら、中身が無い」と呟いた。
部屋中が変な雰囲気。その朝にかぎり、みんな無言で学校に向かった。
私は、勿論空の弁当箱を入れたカバンを提げて登校した。

私の弁当の中身をいただかれた方は、私が呟いた一瞬で判っていました。

こんな、人の醜い一面を見たのも、大きく言えば戦争の傷跡でしょうか?

近頃は、自分勝手な理由をつけて、学校給食の費用を払わない人が居るとか。
嘆かわしい事です。

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