炭焼きを開始して窯の中の温度が高くなると木は乾燥し始める。その煙には木から出る水分や木の成分を含んでお
り、煙を受ける所で冷えるとポタポタと水滴が落ち始める。最初は木に含んだタール分の濃いものが出てくる。こ
れは使い道がないので専用の容器に取り入れているが、煙の温度が80℃くらいから良質の木酢液が取れ始める。
窯の中に入れた炭木の乾燥具合により出る量に差はあるが、伐採2か月後のかなり乾燥したものでも1窯焼けば
100㍑くらいは出てくる。ここの窯では200℃を越えたあたりまで採取する。
木酢液はホームセンターなどでも売られていて、効能によるとアトピーから農業用まで用途は広い。以前は500ml
で4~500円と結構高い値段で売られていたが最近の事は分からない。炭窯グループでも販売品目としているがイ
ベント時に出すだけの状態なので、会員がそれぞれ利用している。私たちが販売する場合『除草』に利用できると
の効能は伝えていない。除草の場合、大量に必要でこれを購入して使用するには余りにも値段的に合わないからだ。
しかし、メンバーの私たちは役得で大量の在庫を保有しているから畑の除草剤にも使っているが、随分と贅沢な使
い方だと言える。1回で18㍑の灯油タンクを2~3缶をジョロで草にかける。雑草の種類にもよるが大半の草はそ
の日の内にシンナリとし1~2日で退治することができる。草の名前は分からないが液をかけても全く効果のない
草もある。草刈り機で草を刈る場合、石の多い所では刃に埋め込まれているチップソーが取れてしまうため、こん
な場所での草刈りは余り気が進まないが木酢液だとそんな心配は無用だから重宝する。
独特の臭いはするが木酢液自体に悪性の成分を含んでいないから畑で使うことでの悪影響は全くない。むしろ畑の
虫たちも嫌うとされているので農作物にはいい影響しか与えない。木から出てくる水分にこんな効果があるなんて
思いもしなかった。