食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『写真のマナー』

2014年04月29日 17時00分00秒 | 旅行

有名な観光地ではどこでも記念写真や自分のベストショットを撮るためにカメラマン、俄カメラマンが同じような

位置に群がる。誰もが記録として残しておきたいから当然のことだと思う。

またカメラのデジタル化はカメラ人口を何倍にも増やした。カメラやビデオはデジタル化によって誰でも簡単に記

録できることに加え高価なフィルム代が不要となれば、その裾野が広がらない訳はない。以前はカメラを担当する

のは男性でしかも常にベストショットとなり得るような場所で限定的な撮影をしていた。ビデオに至っては8mm

が前身でフィルム、現像共に高価で僅か3分しか撮れなかった。

滝桜がライトアップされる随分前からカメラ親父たちは3脚を立て桜から離れた場所に陣取っていた。未だその時

間には早いが私たちもその隙間に入れて貰い待つことにした。桜の正面の人は減ってきたがその前で記念写真を撮

る人がいた。私が妻に『ライトアップされたら流石にあの場所には行けないだろうな』と言うと、すかさず隣にい

た女の人が『そうではないですよ。ほら、あそこに座っている人、皆がこうして後ろに並んでいるのに後から来て

平気で場所取りをしているんです。人のことなんか全く気にしていないでしょう』

そう言われた場所を見ると一人の男性が低い姿勢でカメラを持ち座っていた。誰もが良い場所で人の姿が入らない

写真を撮りたいのだと思う。カメラマンならずともカメラを構える人なら、今自分が居る場所はどんな場所くらい

かは分かるはずだ。あくまでも『はず』・・・こうした期待をしてはいけないようだ。こうしてその人のことを心

中で誹謗しながら『こうした観光地では観光協会の人か誰かが数分のシャッタータイムを作ってくれればいいのに

なー』と勝手な事を考えていた。そうすれば誰もが有名な地で人が映らないベストショットを私でも撮ることがで

きる。常識的な行動をとれば、このような事は必要はないのだが、どうも常識を守るべき又は規範を示すべき人生

の先輩方の多くが守っていないようだから、余計示しがつかない。

ライトアップされ少しずつ暗くなりかけた時、その非常識な親父以外に子供が2人だけになった。幸いな事におっ

さんは暗がりに紛れる格好となり桜と子供の写真を撮ることが出来た。子供たちはいつの世もどこでも少々のこと

は許されてしまう。『子供と桜はいいもんだな』と私が言う。『子供たちと一緒の桜ならいい』と妻。

こうしたチョイ悪親父はいるが観光地には親切な人も多い。セルフで写真を撮ろうとすると『撮りましょうか』と

声を掛けて下さる。美しい風景も優しい心で撮らないといい思い出も添えられなくなり旅をつまらなくしてしまう。

三春滝桜は念願が叶ったもの、ここの人たちの『おもてなし』も一緒に撮って帰ろう。

 


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