食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『見参、滝桜』

2014年04月28日 16時42分05秒 | 旅行

南相馬市、飯館村を通り東北自動車道の福島松川インターに戻り、磐越自動車道の船引三春を目指す。前日の下見

で現地の様子は分かっているから慌てる必要はないし、桜に足が生えて逃げることもないから余裕を持ちながら車

を走らせる。自動車道は70km~100kmまでの速度で走る。普段は余り走ることのない私でも暫く走っているとス

ピード感覚が鈍くなることに加え、周囲の車のスピードに同調してしまう。頻(しき)りにスピードメーターを見て

いないと思わぬスピードに冷や汗ものになることがある。

東北自動車道は幹線だから交通量は多いし速度制限も100kmだから運転するのに忙しい、磐越道に乗り換えると

対面有り70kmとのんびりローカルの色合いが濃くなる。三春に近づくと観光バスが桜を目指しているのか先を急

いでいる様子。午後になってからは快晴の天気となり桜を観るのに最高となっている。

昨日チェックしておいた駐車場に向かうと平日の夕方近くということもあり、車を止めるスペースは十分にあるし

観光バスの方も同様だった。車を降り受付のある場所で観桜料300円を支払い屋台、出店のあるゾーンに向かう。

雨と風で寒さばかりだった昨日と大違い、傘は要らないし周りをゆっくりと眺めながら坂を上っていく。人出は少

ない方で込み合うこともなくマイペースで歩くことが出来る。視界が開けると青空の下、滝桜が明るく出迎えてく

れた。昨日は雨模様の桜だったが、桜は晴れた日が似合う。大きな混雑はなくセルフタイマーでも記念写真を撮る

ことができる。

近くに寄って見ると木を見て森を見ずのようになってしまうから、離れた所から全体を眺めるのが良さそうだ。ど

のアングルが一番いいのか木の周りを大きく回ってみた。正面はパンフレットや観光写真で紹介されている姿でポ

ピュラーな感じ、右側からだと見降ろすようになり桜の背景が雑で今一、真上後ろからだと植えられている黄色の

花との組み合わせで良さそうに見えるが肝心の桜は頭の部分しか見えない。

ぐるり周り左側に降りると、私はここが一番いいと思う。背景は青空、枝垂れは滝のように流れ、しかも全体の姿

を捉える事ができる。

滝桜は桜が滝のように流れる様を言うのではなく滝地区にある桜が由来だ。しかし滝桜を左から眺めると地区の名

前からではなく、その姿からつけられたと言ってもいい。遥々1000kmもの道のりを駆け抜けてやってきた甲斐は

ある。

近くではお婆ちゃんたち手作り品々を売っており、好物の干し柿があったので購入の際、妻が『こんなに綺麗に粉

がふかない』と言うと、お婆ちゃんが説明してくれたが土地訛りの言葉は半分くらいしか聞き取れなかった。

三春町は今の時期が書き入れ時だから農産加工品、桜の苗、名物油揚げの焼き物などを小さなグループが販売して

いた。これらの人は本格的な商売人ではないから夕餉になれば自宅の準備で帰るから、大半の店は5時位でclose

してしまう。これから陽が落ちてライトアップされるまで2時間ほど頑張ろうと近くの出店でコーヒーを頂くこと

にした。幾ら好きな桜の前とは言えすることもなく2時間もジッと待つのは辛いから、未だ残っている店を覗いた

り、車に戻り休憩したりして落陽を心待ちにする。

再び桜の前に戻って来て暫くするとライトアップが始まった。周りは未だ明るくライトアップが始まっても桜の姿

に何の変化はなく、ライトアップより落陽をお願いしたい。

西日本と東日本の日の出日の入りの違いは就職で米子から横浜に行った時にすごく感じた。朝は早く日の入りも早

く、その差は1時間以上違うように感じた。だから陽が落ち時間はもっと早いと思っていたのに以外にも粘り腰で、

中々暗くならない。ジワリと暗くなると同時にジワリと冷えてき始めた。体感条件は悪くなるが観桜条件はよくな

る、我慢比べだ。

ライトアップが始まる2時間以上も前には少し離れた場所から立派な3脚を立てて写真を撮ろうとする人たちがい

た。私たちは記念写真用のみすぼらしい3脚で仲間入り。そもそも一眼レフを使いこなせないのに持ち歩いている

が、バカチョンカメラと同じことしかしていないから、まともな写真は残らない。

一寸だけ勉強した知識で撮りかけるが実践が伴っていないから、大きく手ぶれになったり、露出過多で絵にならな

い等の体たらく状態。段々と暗くなり桜がぼんやりと浮き出る姿を目に焼き付けて滝桜と別れることにした。

三春町の滝桜


リンク