アンコールワットは朝日の名所としてツアーには必ず組み込まれる。早朝に迎えに来た
ガイドに連れられて、未だ真っ暗な遺跡入口に到着すると既に、諸外国からの観光客
でごった返していた。
ゆっくりとした流れに乗り、遺跡の内部に行き3本の塔が見える場所で流れが止まり、そこ
からそれぞれが自分の待ち場所としてカメラの準備をする。以前はデジカメ主体だったが2
度目には携帯、i-Padも加わり、ここでも時代の変わりようを表している。何もすることはない
から、ジッとしてただ只、塔の辺りから昇る朝日のお出ましを待つ。赤い朝日を期待してい
るのに、夜が明け始めてもそれらしい兆候は何一つとしてない。周辺は明らかに、夜は明
けているが朝日を見ることない、それでも往生際が悪いから、今から出て来るのではと思う。
何時まで待っても出ないものは出てこない。
仕方なくホテルに帰り遅い朝食を摂る。暫くすると待ちもしないのに太陽がバツ悪そうに顔を
表す。2度目は運よく春分の日、現地で初めて知った『アンコールワットの塔の真ん中から朝
日が昇る、皆さんはとてもラッキーです』とガイドの説明。聞き逃したが、恐らく秋分の日にも
真ん中から?結果からいえば、この時もうっすらと朝日らしいものが見えただけで2回も朝日
から敬遠されており、次回に訪問する時は3度目の正直で必ず拝めると思っている。
もう一つ、プノンバッケンの夕日もツアーには付き物だ。小高い山の上にある遺跡から遠くジ
ャングルに沈む夕日を眺める。麓から歩いて登ると20分くらいで遺跡の下に到着する。この
ルートを象に乗って登ることも可能。
遺跡の下から上へは、とても急な階段で手をかけながら這いつくばるような格好で上がってい
く。石段の幅は狭い上に高さは40cmくらいある所もあり、とても怖い。下を見ないようにして慎
重に上り詰めると、四方がジャングルに囲まれており、アンコールワットも眼下にできる。ここで
も各国からの観光客で溢れ思い思いに座り、夕陽が沈むのを待つ。どこでも夕陽の赤は美し
いもので、ここの夕陽が特別なものだとは思わなかったが、何百年も前に造られた寺院から見
下ろすような夕陽は感慨深い。
2度目の夕陽は、遺跡の下まで来た時に天気の具合が怪しかったから、私たちはその足で麓
まで降りることにした。大方、麓に着いた頃からポツポツと雨が落ち出し、木陰を見つけて待つ
ことにした。
それから本格的に降り出し山から雨水が流れ下り一辺に水路ができ、道は冠水してしまった。
シェムリアップの街中も下水道はあっても、いつも詰まっており雨が降ると直ぐに道路が冠水し
てしまう。ここは町外れだから下水道は整備されていないだろうから、こうした状態になるのは当
たり前のことのようだ。雨宿りしていると小降りになりタイミングよくガイドが傘持参で救出してくれ
た。どうも、これまでの所、朝陽は2敗、夕陽1勝1敗だから相性は悪いようだ。
へっぴり腰で上り下り
気球から夕陽を眺めるツアーもある
プノンバッケンの夕陽
暗闇の中、朝陽を見るためアンコールワットに入る
塔の真ん中から出る太陽を待つ
残念ながら太陽は出ず