アンコールワットを代表とするシェムリアップ周辺の遺跡は数だけでも凄いが、その様式
や内容も素晴らしい。この周りだけでもゆっくりと見歩けば数か月はかかる。遺跡はこの
周辺に限らず郊外にも、遠く国境周辺まで点在している。
有名なバンテアイ・スレイは東洋のモナリザと呼ばれる壁に掘られた彫刻が人気の的、街
から2時間奥のジャングル内にあるベンメリアは宮崎アニメ、天空の城ラピュタの基本構想
となったと、される遺跡で特に日本人に人気が高い。どこの遺跡にも子供たちが絵葉書や
土産物を売りつけるが、ベンメリアの子供たちは崩れかかっている遺跡を歩くご婦人方に手
を貸したりして小銭を稼いでいる。
郊外の遺跡にはアンコールワットほど観光客は来ないから、土産売り場はおろか賑わいに
関するものは何も見当たらない。子供たちと言えば皆、裸足で暮らしぶりも粗末なものと思
われる。たまに観光客が小遣い銭としてくれる1$は大きな収穫になると思われる。そうした
おこぼれに与かろうと子供たちは大サービスに徹する。
通常のツアーではベンメリアくらいまでは連れて行ってくれるが、もう少し足を延ばした水辺
の遺跡プノン・クレーン、クバルスピアンなどは一か所の遺跡を約1日かけて回るので、余程
好きか興味を持った人でなければ訪れない所。有名なアンコールワットやアンコールトムな
どから遠く離れている、こんな所にもかつては栄華を誇ったであろう遺跡が作られていた、そ
の理由を誰も正確には説明できないと思う。そして最も不思議なのは、アンコールワットを含
めてあんな大きな遺跡が長年、発見されずにひっそりとしていたことだ。先祖からの言い伝
えや書き物など何もなかったのだろうか。道中は細い山道をウンウン言いながら走っていく。
山の中にあり食事を摂るレストランがないから、シェムリアップを出る時に日本食レストランが
作ったおにぎり弁当を持参して行き、現地の喫茶店のような所で黙々と食べる。
そのおにぎり弁当の不味い事・・・・
私はシェムリアップに2度訪れているから、2度目はこうした郊外や遠方を中心に回った。更に
マニアックな人はカンボジア・タイ国境にあるプレア・ビヒア寺院に行ってみたいと思うはず。
ここは国境紛争地帯で双方の軍が睨み合っており時折、小規模ながら軍事衝突を起こし日本
外務省は現地危険レベルを上げて警告している。
ガイドに案内され1時間近く歩いて遺跡に行く
川底の遺跡の一部