旧(アイマスな)駄目人間の溜り場

(アイマスにはまってる)駄目人間の駄目な毎日。の跡地。

THE S.O.U.P.

2008-05-08 14:40:27 | 
「竜と我らの時代」を書いた川端裕人さんの本。

世界で大ヒットしたS.O.U.P.というオンラインゲームを開発したのち、
フリーで活躍する主人公のもとに、ハッカー集団を追い詰めてほしいと依頼が舞い込む。
さらに、同時期にかつての同僚であり仲間から助けてほしいとの連絡が、
知らないうちに改変されたS.O.U.Pの中から伝えられる。
そして世界規模のクラッキングを仕掛けてくるハッカー集団と、
自身の作ったはずのゲーム、現実、ネットで虚々実々の展開が……。
てな感じの話。

どうしても個人的にオンラインゲームが現実に……、っていう話を聞くと、
昔はまった.hackを思い出してどうにもこうにも。

とはいえ、竜と我らの時代でもあった流れですが、後半に行くにしたがってだんだん思想的な物が入ってきていて、
ヴァーチャルとリアルの話とか、インターネットの独立の話とか。
どんどん話が大きくなっていくのが。それでいて自然なのが逆にすごいというか。
あとは、かなり簡単な説明、用語を駆使して、ネット関係の事をわかりやすく説明できているのが。
すごいなぁ。と。

そして何よりすごいのが、これが書かれたのが2001年だということ。
今読んだ時は、あぁ、なかなかいい小説だな、としか思いませんでしたが。
たぶんこれを2001年当時にリアルタイムで読んでいたとしたら、森博嗣さんのFをリアルタイムに読んだときのような衝撃を受けたんだろうなぁ、と。
もう少し早くこれを読みたかったなぁ。
なんか最近こういうのが多いなぁ。世間についていけてないのかしら。
まぁいいか。

そんなこんなで若干今見ると古臭いようなあれもありますが、十分おもしろかったです。
やっぱこの人の面白いな。後半の話の跳躍っぷりがやや癖が強いですが。