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スギヒラタケ子実体が人工的に発生していた?

2012年11月14日 | 面白きのこ情報
 古い文献を整理していると,気になるデータを見つけました.
 なんと,スギヒラタケ(Pleurocybella porrigens)の子実体がシャーレ上で発生していたようです.

大山 義朗・吉田 敏臣・田口 久治.高速度子実体形成きのこの検索とSchizophyllum commune の栄養条件 : 担子菌における分化の機構(第1報).醗酵工學雑誌 54(3), 131-137, 1976

 この論文を見る限り,スギヒラタケは30日で子実体を形成したとなっています.
 他のきのこと同様の条件で発生したようです.

 スギヒラタケと言えば,何年か前に中毒症状が報告され,多くの研究者が原因物質を特定しようとしてできませんでした.
Wikipedia スギヒラタケ

 人工培養できれば毒性分の特定も容易なのでしょうが,人工的には子実体は発生することが極めて困難です.
 針葉樹材の有効利用として各地の試験場が栽培試験を行っていますが,ほとんど成功していません.
 信用しないわけではないですが,ウスヒラタケと間違ったのでは?,などと思ってしまいます.



 


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