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ウスバタケによる真菌症

2006年01月22日 | きのこ ゼミ
◆ウスバタケによる真菌症
    2006年1月22日 きのこゼミから


オーストリアで白血病治療中の少女(9歳)の肺から菌が分離された。
白色の気中菌糸で成長し、厚膜胞子もクランプコネクションもつくらず子実体も形成しない。
rRNAのITS領域の解析結果をGenBankのデータベースと比較することにより、ウスバタケ(Irpex lacteus Fr.)であると推定できた。
さらに、標本3点および保存菌株、野生株のITS領域の比較の結果は、ほぼ100%の類似性を示した。

過去に、真正担子菌による病例としては、スエヒロタケとウシグソヒトヨタケの例が報告されているが、本報告はウスバタケによる初めての症例である。

治療法としては、アンフォリシンBの投与により完治した。

The polypore mushroom Irpex lacteus, a new causative agent
of fungal infections
W. Buzina, C. Lass-Förl, G. Kropshofer, M. C. Freund and E. Marth
J. Clin. Microbiol. 43: 2009-2011 (2005)


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