内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

麗らかな新春の陽光の中に揺蕩う正月気分を味わう

2017-01-02 15:32:59 | 雑感

 フランスには正月気分はない。今年は三日火曜日から授業再開である。私は五日木曜日夜にストラスブールに戻り、翌六日金曜日午前九時からの日本古代史の講義が前期に行う学部の授業の最後である。火曜日の修士二年の演習の筆記試験と木曜日の修士合同演習は、今週は休講にし、来週その試験と演習の最終回を行う。他の授業の多くは今週中に学期末試験を実施するから、学生たちも新年をのんびり過ごすという気分には当然なれない。
 私は修士二年生のレポート(課題は、« Comment vivre l’espace au Japon contemporain ? » )の提出期限を十二月三十一日にしたのだが、六人の登録学生のうち期限前に提出したのは半数の三人。残りの三人は、ヨーロッパ中央時間で三十一日二十三時過ぎ、つまり日本時間ではすでに元旦八時近くに送信してきた。つまり、彼らはちゃんと期限を守ったわけであるが、期限ぎりぎりの提出になったのは、おそらく、ノエルは家族と楽しく過ごし、ノエル後にレポートを仕上げたからであろう(課題は九月に出したのにね)。
 日本でも、私が子供の頃とは違って、正月気分というのは随分薄まってしまったと思う。三が日も休まずに営業する店も増えたから、買い物に関しては普段とあまり違わなくなってしまった。便利でいいけれど、三が日くらい、み~んな休んでみたらって、思う。まあ、その三が日が稼ぎどきっていう商売もあるだろうけれど、多少の便利さは犠牲にしてでも、できるだけ多くの人が一斉に休むことができる日というは年に何回かあったほうが、社会全体がちょっと一息つけていいと思うのだけれど。
 そのように正月の祝祭的非日常的時間性が失われつつある日本ではあるけれど、昼前、買い物のために少し元実家の周辺を歩いてみて、やはり普段とは違う静けさとゆったりとした空気の流れを感じる。初詣の行きか帰りであろう家族連れやカップルも見かける。先程まで箱根駅伝往路の中継を妹夫婦たちとあれこれ感想を述べ合いながら見ていた。明日の復路は接戦が予想され、楽しみである。昼には人と会うために出かけるけれど、それもまた別の楽しみである。
 せめて正月三が日くらいは日常の憂いを忘れ、のんびり過ごしたい。そのつけが後日に多少回されたとしても。