今日の午後、北海道大学で講演を行った。ちゃんと数えたわけではないけれど、三〇名ほどの方が出席してくださっていたと思う。
この講演会のお話をいただいたとき、私が一方的に話すのではなくて、参加者の方たちとできるだけインターラクティブな会にしたかった。その旨、今回の講演に招いてくださったM先生に事前にお伝えしたところ、私が2021年と2022年に『現代思想』に発表した二つの論文を事前に学生さんたちに読んでおいてもらって、それについての質問・意見・感想を講演会前に取りまとめて私に送るというアイデアを提案してくださった。
実際の講演会では、私がまず30分余り、植物というテーマになぜ関心をもったか、個体性という概念が今どのような理由で問い直されているのか、どのような条件で動物にも「人格」を認めることができるか、という三点について、簡略に話し、論文の内容を補った上で、事前に送ってもらった質問と意見に対する私からの応答を行った。予定されていた時間は1時間半だったが、質疑応答の部分が膨らんで、結果として二時間を少し超えてしまった。
学生さんたちから寄せられた質問すべてにちゃんと答えられたわけではないし、議論を行うところまでいかなかったけれど、司会進行をしてくださったM先生のアシストにも助けられ、いくらかはインターラクティブにできたかと思う。
私の話がどこまで参加者の皆さんに届いたかはわからないけれど、その場で出た質問も含めて、拙論についてさまざまな質問と指摘をいただけたことが私には何よりもありがたかった。特に、このブログについての質問と感想をいただけたのは、これがはじめてのことで、しかもそのなかには私がまったく気づいていなかったことの指摘もいくつかあって、とても驚きかつ嬉しかった。
出席してくださった皆様にここであらためて心より感謝申し上げます。