南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

借りたおカネは返すもの?

2010-11-13 14:03:45 | 経済
昨日に続いておカネの話で恐縮ですが、ほんとうにどうなるんでしょうね?という話です。
「金本位制」の時代ならば、手持ちのおカネの老後分をとりあえず“金(ゴールド)”に交換しておけば安心です。
「そうすりゃいいじゃないか」、という人に一言。
今でもおカネがあれば“金”は買えますが、投機筋の“金”は相場保障がありませんから素人には危険なんですね。
ですからおカネの価値を保証する誰かを信用するしかないんですね。
その“誰かさん”とは、政府であるし日本銀行です。

それではお聞きしましょう。
日本の財政赤字は?
それをファイナンス(資金調達)している国債残高は?
「借りたおカネは返すもの」ですが、その返済状況は?
「金本位制」でない通貨は「信用通貨」と呼ばれていますが、信用を失った時点でその通貨の価値は崩壊します。

それでもなんとかなるよと言われる方もいます。
もちろん、なんとかした国もありますし、わが国でも過去なんとかしてきました。
その方法は…。

97年にアジア通貨危機が起こりました。
あの韓国もIMF(国際通貨基金)から緊急融資を受けて、IMFの管理下に入りました。
98年にはロシア危機が起こりました。
ロシアはモラトリアム(債務支払の一部停止)を実施し、国際的な信用を失墜しました。
2001年にはアルゼンチンのデフォルト(債務不履行)で世界中の国々が損失をこうむりました。

わが国の例を見てみましょう。
江戸時代に生活困窮をきたした御家人や旗本の救済策として棄捐令(きえんれい)がとられました。
武士に貸し付けていた札差(金融業者)を泣かせて、借金を棒引きさせたのです。
敗戦後残っていた莫大な借金(戦時国債)はどのように返済したのでしょうか?
3年間で公定価格では98倍という凄まじいハイパーインフレによって、返済は可能になりました。
すなわち戦時国債は紙切れ同然になったということです。

家の家計も国の家計も同じです。
足りないおカネは借りるしかありません。
国債は国の借金です。
その借金全体はいまやGDPの200%もあります。
毎年毎年の一般会計では歳入全体の30%が借金で賄われます。
さあみなさん、どうしましょう?
結局最後に泣かされるのは、いつの世も先の見えない民衆・大衆です。
もうそろそろ本気で考えていきましょう。