南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

もしあなたが裁判員だったら・・・

2010-11-02 13:07:42 | Weblog
耳かき店員と祖母の二人を殺害した犯人に対して東京地検は死刑を求刑しました。
裁判員裁判で初めて死刑求刑に対しての判断を求められましたが、その判決結果は無期懲役でした。
もしあなたが裁判員であったとしたらどんな判定を下したでしょうか?

ずいぶん前に死刑制度は是か非かについて、某単組リーダーと激論を戦わせました。
確か“女子高生コンクリート詰め殺人事件”だったと思います。
犯人は少年だったこともその議論の対象になっていたと記憶していますが、ちょうど私の娘も同世代だったのでかなりハードに死刑執行を主張しました。
相手は頑強な死刑廃止論者です。
結局、議論は平行線のまま終了しましたが、彼の主張するところは詰まるところ「冤罪への恐れ」でした。

さて私が裁判員だったとしたら、どんな判定をするでしょうか。
いつも私は“なぜ生きるのか”について自分自身に問いかけています。
しかしなかなかその答えは見えてきませんが、生きていなければ当然“なぜ生きるのか”にまでは至りません。
その“生きること”を強制的に閉ざされてしまった悔しさを思うだけでもうたまりません。

しかしよく考えると、仮に私が裁判員になって死刑を宣告したら、私自身が彼の“生きること”を閉ざすことに手を貸すわけです。
しかもそれを決断するまで夜も眠れないくらい悩むはずです。
加えて考えるに、現在でも死刑確定囚は109人もおり、長い囚人では死刑判決を受けて40年も宙ぶらりんの状態にあります。
ということは私が死刑判決を下しても、執行されるまでの期間は…不眠症で身体を壊してしまいます。
となると私には死刑判決を下すことは難しいということですね。

しかし私が遺族であれば悔しくて悔しくてたまりません。
私の結論は、「死刑を求刑されるような裁判は、裁判員裁判には似合わない」です。