南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

なぜ日本人は学ばなくなったのか

2010-11-09 21:36:55 | 読書
なぜ日本人は学ばなくなったのか (講談社現代新書 1943)
齋藤 孝
講談社


静岡駅前の地下街や繁華街の路上で見かける黒服のあんちゃんたち。
茶髪でケバケバしい化粧をして大口開けてゲラゲラ笑っているオネエチャンたち。
どの顔を見ても品性のかけらも感じない…。
そんな若者を見るたびにガックリするのは年寄の証拠!などとからかわれますが、冗談じゃありません。

彼ら彼女らは“自由”と“わがまま”を混同しています。
“自由”と“わがまま”の境目というのは、他人の害になるかならないかにあります。
黒服がケバケバねえちゃんをナンパして、キャバクラ嬢に売り込んでも他人の害にはならないじゃあないか、という人もいます。
自分のお金を使って酒や女遊びに狂っても、それは自分の自由だと息巻く人もいます。
でもそれは他人の悪いお手本になって、やがては世の中の空気を乱してしまいます。
可愛い孫がそんなものに触発されてはたまりません。
私のようなオジサンはそうおもうんですね。

そんな気持ちにピタッとくるような本があります。
タイトルは「なぜ日本人は学ばなくなったのか」です。
著者は1960年静岡県生まれの斎藤孝氏です。

斎藤さんはこの本の中で、「学ばない時代」にケリをつけようと呼びかけます。
かつて「日本人」と「勤勉」はセットであった、国際社会でも「日本人の勤勉さ」は疑われることはなかったといいます。
しかしその「勤勉な日本人」はいまや神話と化し、「学び嫌いの日本人」になってしまったと指摘しています。
当たり前の話ですが、人は勉強しなければバカになります。
だから黒服のあんちゃんやケバケバねえちゃんが増えたんですね。

ちょっと露骨な言い回しも目立つ本ですが、脳に刺激を与えてくれます。
さあ、私たちも先頭に立って「学ばない時代」にケリをつけていきましょう。