南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

団塊イリュージョン

2006-10-30 21:11:03 | 経済

『豊かな団塊世代というイリュージョン(幻想)は、その圧倒的なボリュームの多さが生み出した大量消費時代の残像に過ぎない。』
日経ビジネス10月30日号の特集「団塊イリュージョン」は、ショッキングかつ現実を直視した記事の最後をこうまとめていた。

ほかの世代に比べて圧倒的に人口が多い団塊世代(1947~49年生まれ)が来年から定年退職を迎える。
特集は約700万人を数える定年退職者が退職金を手にして、お金と時間的なゆとりももって巨大な消費・金融マーケットを形成する、というのは幻想であるというものだ。
バラ色の幻想をふりまいた基となる調査の大半は、大卒の管理職を中心としたある程度恵まれた人たちの実態を映したものに過ぎないと指摘。
事実、団塊世代の大学進学率は男性でも2割そこそこにしか過ぎず、約3分の1が中卒である。
また調査によれば、退職金も25.6%が「ゼロ」と答え、500万円未満の22.8%と合わせると、「ゼロから500万円未満」がほぼ半数を占めている。
定年後の生活費を稼ぐための仕事の確保でも困難が伴う。
上場企業では9割以上が定年後の再雇用や勤務延長の制度を設けているというが、希望者全員を対象にした企業は2割程度にとどまっている。

団塊世代の定年後の格差拡大も深刻な社会問題になりそうである。
もう避けようのない現実、どう生きていくのか、団塊下流社会の生活スタイルを真剣に考えるときでもある。
ここにも連合運動の活動領域が隠れ見えてくる。