南町の独り言

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9番目の核保有国

2006-10-09 19:40:47 | Weblog

北朝鮮の核実験が強行された。
実験20分前に中国には通報があり、これが日・米・韓に即時に伝えられたという。
(道理でインタビューを受けている安倍首相の顔には余裕があった。)

ともあれ、これで北の御領主様は大人のオモチャを手に入れた。
世界192か国中で8人の大物(悪者)だけが持つ、最強レベルの「核兵器」という危険極まりないオモチャ。
いきなりぶっ放すことは無いと思われるが、政治的・戦略的に使われることは間違いない。
国連常任理事国の5カ国(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国)も当然「核保有国」であるが、核が拡大することには不快感を示す。
なぜなら、この5カ国により世界の核管理体制の核不拡散条約(NPT)を定めており、5カ国以外の国が核を保有することを禁止しているからだ。
しかし実態は異なる。
各国の思惑がからみあって理屈どうりにはならない。

5カ国以外で核を保有し、核実験も行った印パ。
1974年、そのインドの核実験が世界中を震撼とさせた。
両国は47年にイギリス植民地から独立以来の犬猿の仲。
インドは独立後、着々と核開発を進めてきて世界最高水準の科学者や技術者を擁するまでになる。
一方のパキスタンには、中国から核・ミサイル技術が核物質と共に供給されてきた。
1998年、インドに対抗する形でパキスタンの核実験が行われ、7番目の核保有国となった。
現在でもカシミールの領有をめぐる紛争を抱えており、もし第4次印パ戦争が起こったら核戦争になるかもしれないとも懸念されている。

イスラエルの核兵器については、アメリカやフランスのジャーナリストによって、いくつかの調査がされており、核兵器を持っていることはほぼ間違いないと思われる。
だがイスラエル政府は、あえて核兵器保有を否定したほうがプラスだと考えた。
事実上、8番目の核保有国である。

イスラエルが核を持てばイランも持たねばと考える。
イランが持てばイラクも持ちたがるのは当然だ。
あのイラク戦争はなぜ起こったのか。

世界は道理や正義で動いていないことがよくわかる。
(核を持つから悪者ではない、悪者だから核を持たせないという理屈?なにをもって悪者とするのか?)
核開発疑惑をもってイラク戦争開戦とするくらいであるから、北朝鮮の今後も予断を許さない。

ひょっとしたらアメリカはもうこれ以上手が回らないから、北東アジア地域の安全は自らが守れということで、日本・韓国とも核兵器を保有すべきという命令を下すかもしれない。