南町の独り言

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北朝鮮の核開発

2006-10-04 22:24:45 | Weblog

3日、北朝鮮の朝鮮中央放送が「今後、核実験をする」との外務省声明を伝えた。
米朝間の駆け引きであろうとか、中国・韓国も容認できないとしているから実際には実験の強行はできないだろう、という観測記事も目立つ。
果たして北朝鮮の真意は?

50数年前、「アメリカに侮られない」国になるとして、核開発を決断したかつての中国を考えてみる。
1956年、毛沢東は「今日の世界で他人の侮りを受けたくなければ、原子爆弾を持たないわけにはいかない」と述べた。
それからの中国は核兵器開発へ苦難に満ちた道を歩み始める。

毛沢東はそれまでの中国軍の近代化路線を放棄し、最も先進的な核ミサイルと最も前近代的な人民戦争を組み合わせた「二本足軍事路線」に転換した。
そして国家の総力を核ミサイル兵器開発に投入していく。
当時の陳毅外相は、「ズボンをはかなくても、一皿のスープを皆ですすりあっても、核兵器をつくる。」といった。

1964年中国初の核実験は世界中に衝撃を与えた。
核兵器にはウラン型とプルトニウム型があるが、中国の核実験は、高度の技術が必要とされる水爆開発にもつながるウラン型であった。
この核実験は世界に大きな影響を与え、中国が国連に加盟する重要なひとつの要因となる。
中国という国は常に明確な国家目標を掲げ、それを達成するための国家戦略を持って、多少(?)の犠牲はいとわずに国家の総力をあげて着実に目標を実現してきた。
そして今日の繁栄をもたらした。

北朝鮮の核開発も中国の影響が大きいと思われる。
毛沢東の見逃さざる発言がある。
『「社会主義国の核兵器は正義の兵器」であり、それゆえ「社会主義国の核兵器は多ければ多いほどよい。」』
北朝鮮の建国の主「金日成」、現在の主「金正日」、そして「主体思想」。
この3つを読み解くと、北朝鮮核実験のこれからが予見できる。