朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

第34回夢くらぶ寄席

2012年11月30日 11時03分47秒 | 落語・講談・お笑い


先週土曜は奈良の落語会へ。
「奈良町落語ふぇすてぃばる」ということで様々なイベントや落語会が開催されており、
この落語会もその一環らしい。

船橋商店街という、東向き商店街などに比べるとやや寂れた、
アーケードのない商店街の中のイベントスペースのようなところ。
如何にも地域寄席、の手作り感が良い。


「粗忽長屋」(雀太):△

色々な人がいる、といった話やネタになっているマクラから本題へ。

上方でこのネタをやるのはムチャだろう、と思っていたのだが、
その懸念通り。
江戸の「粗忽」という人物造型をどうするか?
2人の粗忽者の違いをどのように表現するか?が必要だと思っているのだが、
あまり考えられていないように見えた。

1人目の粗忽者が野次馬連中に声を掛けるところ、
応対した野次馬の方がむしろ粗忽に見えてしまう程、
粗忽の描写が出来ていなかった。

世話役との会話はまあまあだが、粗忽の描写にはあまり拘っていないように感じた。

帰ってきてからのもう1人の粗忽との会話、
どちらも別に粗忽という感じではないし、
2人の違いもイマイチはっきりしない。
「訳の分からない話をする人」に周囲が巻き込まれてそのズレを楽しむ、が
このネタの本旨だと思うのだが、
前提がはっきりしないのでズレも不明確であり、
当然あまり楽しめなかった。
難しいネタであり、そこを避けて台詞の可笑しさだけで進める、という意図かも知れないが、
それではちと勿体ない気がする。


「悋気の独楽」(雀三郎):○

お手かけさんと本妻で髪の毛を抜き合う、という小咄からネタへ。

ネタは、まあ、安心して聞けるもの。
丁稚の可愛い中のちょっとした背伸び、といったバランス、
おたけどんのおばさん染みた感じが良い。
ごりょんさんは薄めだが、これくらいの濃度で良いかも知れない。

独楽は3回廻し、
最後は本妻に弾かれた旦那の独楽がお手かけさんの独楽に当たる、というサゲ。

気にしなければ良いのかも知れないが、
丁稚が独楽を出すところの流れが少し不自然なネタではある。
江戸の「ごりょんさんの肩を叩いていたら独楽が当たるので、そこから問い詰める」も
少し行き過ぎかも知れないが、
何らかの流れの中で出せた方が良いだろうな、と思う。


「住吉駕籠」(雀喜):△

リニアモーターカーの話、「何人で何人を運ぶか」の乗り物比較の
付き物になっているマクラ。
後者はもう少し色々膨らませられそう。

ネタは、かなりダラダラしているように感じた。
また、最初の「早く戻ってきてや」のあたり、
アホを強く描き過ぎないのは悪くないが、その後はアホの一貫性が弱い。
「茶店の主」「板谷橋」「侍」の後「酔っ払い」で切っていたのだが、
特に「酔っ払い」は長かった。
全体に緩和口調であり、
酔っ払いも駕籠屋も同じような口調で穏やかに喋っているので眠くなってしまった。


「淀五郎」(雀三郎):○+

芝居の話を少し振ってネタへ。

若干トチリはあったが、流石。
特に多見蔵や璃寛といった年上の人間が良い。
それは声だけでなく、諭す喋り方やそのベースとなる深みが滲み出ているためだと思う。
特に様々なことを飲み込んだ璃寛の淀五郎に対する接し方が
温かみがあって素晴らしい。
淀五郎が泣き出した時の家人に対する声の掛け方など。

多見蔵の皮肉の言い方は若干強く、ここはあまり好みではない。
多少皮肉は混じっているにせよ、ごく普通のことを役者らしく言っているのを、
淀五郎の方が誤解して捉えてしまう、
それを璃寛に諭される、という構造が良いのでは、と思う。

多見蔵に言われて、璃寛に諭される、という設定なのだが、
今は双璧とは言え元々多見蔵の弟子であった璃寛よりも、
元々多見蔵と同格の役者、の方が良いかも、とふと感じた。
「元弟子として、師匠に肩入れする」要素が微妙に入ってしまったように感じたのだが、
個人的には純粋に芸として「誰でも同じことを言う」ようにした方が良いのでは、
という感覚。

いい話を聞いたな、と思える出来だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月29日(木)のつぶやき その2

2012年11月30日 01時20分21秒 | つぶやき

「近江商人の経営」(小倉榮一郎)読了。概論と事績論に分け、概論では活動内容、経営方法や家訓等を紹介。会計等かなり進んでいた。事績論では地域別に特徴や具体的な商人を挙げる。地域よりも時代の違いの方が重要な要素なのでは、と感じた。特に事績論は羅列的で年表もなく、全体に分かりづらい。


@oka_panda そういうことみたいですね。カストリ雑誌 - Wikipedia bit.ly/V3td9s 多謝。


偶々米朝の「百年目」を聞きつつ。40代の録音だが、やはりこのネタは50代以降の音源の方が良さそうだな。とは言え言うまでもなく、近年の他の50代の連中とは比較にならない。


小沢の影響云々はどうでも良いが、「農家個別保障」「TPPは反対だが、FTA・EPAは推進」など、疑問が多いなあ…。税源に関する民主党の失敗を生かせていないように見えるし。>衆院選:子ども1人に年31万円 未来が政策要綱、小沢氏役職なし mainichi.jp/area/news/2012…


震災復旧が進んでいない状況で、「自主憲法の制定」を先頭に掲げる神経は理解不能。小沢新党の「国民の生活が第一」は、当然のことを何言っているんだ、と批判されたが、全然当然ではないんだな。>日本維新の会:公約に自主憲法…石原代表「中央集権打破」 mainichi.jp/select/news/20…


原発を「存続」だ「脱」だ「卒」だと言うけれど、いつ時点を基準にするか、など、前提が食い違ったままイメージを投げ合っており、積み上がらない。「原発を新増設する?しない?」「既存原発を再稼動させる?させない?」「核燃料サイクルの開発を進める?進めない?」の3つの軸で答えて欲しい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月29日(木)のつぶやき その1

2012年11月30日 01時20分20秒 | つぶやき

少し興味があるが、大阪公演はないんだな。>サイレントシアトリカルカンパニー が~まるちょばプロジェクト第3回公演 a Go Go Ⅲ gamarjobat-pj.com/jp/play/detail…


「実力はなくともスポンサーマネーでシートを獲得してきた」今までの日本人とは違うドライバーなのだが…。必要とされる額とのギャップが辛い。>時事ドットコム:可夢偉支援に8200万円=F1 jiji.com/jc/zc?k=201211…


上方では「不動坊」は冬のネタなのだが、確かに江戸では夏に聞いた覚えがある。寒中ならではの設定や雪の街景色など、季節感が重要なネタなのだが。>落語「不動坊」の“天窓からへっつい”は、今ならシステムキッチン housing.nikkansports.com/news/f-hs-tp0-… @nikkansportscom


時事ドットコム:アルゼンチンを3段階格下げ=「デフォルトの可能性高い」-フィッチ jiji.com/jc/zc?k=201211…


さすがに南座顔見世前半、3等は売り切れているわな。後半買えるかどうか見てみよう。


徹頭徹尾日常のギャグで進む新作落語は難しいな。シリアスに走るより遥かに難しい。


で、築地市場移転はどうなるのかね?>時事ドットコム:都知事選、29日に告示=新銀行、エネ政策など争点 jiji.com/jc/zc?k=201211…


「航空券予約に関する情報は有効」だったら、顧客情報のバックアップデータと紐付けてある程度復旧できそうな気もするのだが。どんなシステムなんだろう。>時事ドットコム:10万人超の座席指定が無効に=来年2月の国内線予約で-全日空 jiji.com/jc/zc?k=201211…


以前買ったままだったのを初めて聞いた。「赤い部屋」は乱歩作品か。喬太郎の狂気を孕んだ語り口が、作品に合っていると思う。 柳家喬太郎落語集 アナザーサイド Vol.1 [楽天] a.r10.to/hJ7axm #rbooks pic.twitter.com/Mn8gRDdM


外出、ファミレス。貸出期限がきている本だけでも読了したし。


本舗売薬と配置売薬。日野では本舗売薬がメイン。


脱原発が具体的でない、と言うが、自衛隊の国防軍化やあの「憲法」と呼べないような憲法改定は具体的なんかいな。一番現実的で具体的なのは「何もしない」ことだけど、それが良いのかどうか。


上方商品の持ち下り+現地産品の登り荷の「鋸商」のみならず、「全国産物廻し」に発展。


寺院の「講金」が他人資本として商人に導入され、レバレッジが利くことにつながる。


世界戦争勃発の危機意識から「地球を監視している第三者」の存在を想定し、目撃情報も相俟って日本でも「空飛ぶ円盤研究会」が作られる。


「三号雑誌」に「カストリ」とルビが振ってあるのだが、何故「カストリ」と云うんだったっけ?また調べておこう。


士農工商で「農民」と云いつつ、手工業や商業に従事して富を得るものも現れる。「農民の本分」としての取り締まりと、殖産興業による利益のバランス。


戦略的環境における「コミットメント」の意義。自分のコミットした行動に対する相手の最善の対応が、自分にとっても利益になるような場合に敢えてコミットメントをする。Win-Winであることや、相手に対する信頼感が必要だろうな。


義満没後の足利家の「国王」辞退の動き。義持を支える守護の「足利家も一氏族であり、天皇家に代わるべきでない」意識があった、か。


覇権を握ることと世界のリーダーになることとは違う。リーダーになるには、世界に何かを与えられなければならない。日本はリーダーになったか、今後なれるか。「普通の国」になることは、リーダーになる前提ではなく、リーダーになる芽を摘む行為だと感じるのだが、別にリーダーにならんでもいいのか。


「子供の社会階層を振り分けるためのシステム」「プロパガンダである道徳教育」「自由に思考して問題を解決できる人材を必要としない」教育。中国の話だが、日本も教育改革(笑)の名の元にそこに逆行しようとしているように見える。これが本来の姿かも知れないが。


良かれと思ったコミットメントが後になって仇となる「ホールドアップ」。コミットメントの強さとホールドアップ時の損害の大きさ。


義政を最後に、足利将軍は誰一人として室町第の畳の上で死んでいない、か。


「室町の王権」(今谷明)読了。義満の「王権簒奪計画」がメイン。「治天の君」と同様の儀式や呼称を用いることにより権威付け、武家のみならず公家や寺社も支配できるようになった。室町幕府の構造が足利将軍家に絶対的な権力を認めず、義満没後には天皇の権威を肯定し、利用する方向に戻った流れ。


南座顔見世のチケット購入。一番標高の高い、値段の安い席でも充分高値。その分楽しみたい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする