朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

第113回雀三郎つるっぱし亭

2012年11月29日 23時29分12秒 | 落語・講談・お笑い
先週木曜は「雀のおやど」の雀三郎の会へ。
開場時には20人程度並んでおり、最近少なかったのが元来の形に戻ったか、と思ったら
開場後客入りが伸びず、結局30人程度の入り。


「初天神」(鯛蔵):△

特にマクラを振らずにネタへ。
親子の会話、果物を見て飴・みたらし、だが、
随分クドく感じた。
特に最初の親子の会話。
母親の「白粉付けて紅付けて待っている」を子供がなぞり、
向かいのおっさんを入れ、さらに格子造りの家での話まで入れる、というのは
少しバランスが悪いのかも知れない。

丁寧に喋っており、子供もあまり嫌らしくなく聞き易いのだが、
間や強弱が単調であり、台詞を言っているだけ、という感じで眠くなった。


「一人酒盛」(雀三郎):○-

酒の上での失敗の話などを振ってネタへ。

米朝ラインの「手が糊まぶれ」を繰り返す形。
松鶴ラインの「単に、人使いの荒い人」であり、
「使い倒されて怒るのが日常」と感じさせるものの方が良いと思うのだが、
やはりそれは難しいのかなあ。

壁紙を貼るところ、狭い「雀のおやど」の壁に実際に貼って見せていた。
よくウケていたが、枝雀っぽい演り方ではある。

引越しした直後で家が散らかっている景色が何となく見えた。
また、次第に酔っていくところは自然で良い。
1杯注ぎ、いろいろ喋っている間にもう1杯注いでしまい、
使われる男に注ぐ分がなくなる、という繰り返しは、
少し段取りの意識が見えてしまった。
このあたりはネタ下ろしらしいところ。

酔ってきた男がシャレを言ったり、
民謡を歌ったりするところは、まあ悪くないが特に良くもないかなあ。
うどん屋が来るところ、「腹が減っているから2人分でも食べる」話はなかったが、
入れても良いのでは、と思った。


「尻餅」(鶴二):○-

夫婦の話などをマクラに振ってネタへ。

さらさら喋っており、よくある夫婦の日常、の雰囲気。
これはこれで悪くないが、
尻餅を搗く場面は仕草や男の浮かれた様子、
嫁さんが痛がるところなど、もう少し誇張しても良いと思った。
変にクサく演られても不愉快なのでバランスの問題。

笑福亭のテキストでごく普通に演っていた印象。
「ちりとり」は1回目はツッコまず、
2回目でツッコんでいたが「埃が目に入った」はなし。
サゲは「布団の中で搗いとう」で、初めて聞いた(笑福亭でよく演るサゲ?)。
艶笑っぽいがこれはこれで面白いサゲだと思う。


「不動坊」(雀三郎):○+

「遊芸稼ぎ人」の話をマクラに振ってネタへ。
まあ、ごく普通のテキストではあるが、
何でもないやり取りが面白いのが雀三郎の良いところ。
例えば家主の店子である利吉を思いやる様子、
浮かれた利吉が鉄瓶提げたり内から閂を掛けてしまうところ。
特に「あんころ」を巡る勘違いのやり取りは、何度も聞いている台詞なのだが、
間や強弱、お互い真面目にやっている様子が自然で面白く感じた。

利吉の一貫性は特に図られておらず、
やはり幽霊が降りてきた時はそれ以前の独りキチガイと若干ずれてはいたが、
特に気になるほどでもなかった。
幽霊が出てくる場面も特に強く「しっかりした人」として描いておらず、
特にビビッってはいないのだが、新婚の若い男がちょっと驚いている、くらいで
ある程度の一貫性は保たれていたように思う。

幽霊が落ちる場面、屋根から落ちた3人の台詞は特に入れずに
すぐに利吉と幽霊の会話に移っていた。
この方がスムーズにサゲまで持っていけて良いかも。
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