朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

今年最初の歌舞伎座

2008年01月06日 22時39分40秒 | 歌舞伎・文楽
明日から仕事、ということで、
最後の息抜きに歌舞伎座に行ってきた。
目当ては京屋の「けいせい浜真砂」だが、
これだけ見るのも勿体ない(10分ちょっとしかない)ので、
序幕から見ることにした。

けっこう混んでいるのでは、と心配して開場30分前に行ったが、杞憂。
余裕で座れる。
三が日は入場できないこともあったらしいが、
今日なんか半端な日なんだろう。

序幕の「猩々」は、ごく軽い(20分くらいの)舞踊。
猩々の酔った足運びが楽しめた。
出囃子の「猩々」は、引っ込みのところを採ったんやね。

次が「一条大蔵譚」。
吉右衛門の一条大蔵卿、福助の常盤御前、
梅玉+魁春の鬼次郎+お京、吉之丞が鳴瀬。
良い顔合わせで、満腹。

まず、吉右衛門の声・姿形が良い。
阿呆にしても、正体を見せてからにしても(その後の阿呆に戻るところも)
発声・仕草が快い。
理屈でなく、このような快さを味わえるのが、結局良い芝居なのかも。
その調子の中で、一条大蔵卿の人物が浮かんでくる。

そして吉右衛門だけでなく、
周囲も含めてこってりとした味が出ていた。
梅玉・魁春の会話・動きも雰囲気が出ている(梅玉の声も好ましい)。
福助の常盤御前の「実は平家調伏を祈っていることを明かす」ところや、
段四郎の悪役(八剣勘解由)の憎々しさも分かりやすく、良かった。

ただ最初分からなかったのは、鳴瀬が自刃するところ。
八剣勘解由の妻、という設定を理解していなかったんで、一瞬呆気にとられた。
「夫の悪事を詫びる」ということらしい。

最後の、一条大蔵卿が八剣勘解由の首で遊ぶところ(ここで幕になった)は、
私には少しグロに感じられた。

でも、全体的には1時間半の長さを感じない、良い芝居。

その後が「けいせい浜真砂」。
雀右衛門を見るのは久し振り。やはり、声が弱くなっている。
また、この芝居だけ、ということは、あまり動けなくなっているのかなあ。
来月も口上だけだし。
それは少し残念。

芝居は、本当に何てことのない(何もない、と言ってもいい)話。
この芝居で満腹させるだけの雰囲気はなかったなあ。
何となくぎこちなく感じた。間とか。
あと、幕見席からだと、大ゼリを上げたときに
雀右衛門の顔が見えなくなるのが勿体ない。
普通に切符を買って見た方が良かったかも知れない。

そんなことをちょっと反省しつつ、でも全体としては満足。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする