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ボーイング、エンブラエルとの事業統合中止2020/4/25 23:48 (2020/4/26 6:15更新)
墜落事故と新型コロナでボーイングの財務は悪化している(シアトルの工場)=AP
【=中山修志、サンパウロ=外山尚之】米ボーイングは25日、ブラジルの航空機大手エンブラエルとの事業統合を中止すると発表した。2018年にボーイングがエンブラエルの商用機部門を傘下に収めることで合意していたが、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化するボーイングが条件見直しを要求し、交渉がまとまらなかったとみられる。
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両社は24日までに統合を完了する計画だった。ボーイングは声明で「建設的ではあったが、結果的に納得いかない売買契約の条件交渉は失敗となってしまった」と発表した。
18年7月の合意では、ボーイングはエンブラエルの商用機部門を分社化し、38億ドル(約4000億円)を出資して80%の株式を取得する計画だった。小型機「737MAX」の墜落事故や新型コロナウイルスの影響で財務が悪化する中、ボーイングは条件の見直しを求めていたとされる。独占禁止法に関する欧州当局の審査が長期化し、期限までに終わらなかったことも響いた。
ボーイングはカナダ・ボンバルディアの小型機事業を買収した欧州エアバスに対応し、100~150席クラスの小型機を主力とするエンブラエルとの事業統合で旅客機の品ぞろえを広げる計画だった。世界の商用機メーカーは2強に集約される予定だったが、新型コロナの影響による業況悪化で再編が壁にぶつかった。
ボーイングの最新鋭機種「ボーイング777X」とは
ボーイングの最新鋭機種「ボーイング777X」シリーズは「777」がつきますが、従来の「777」シリーズとは、大きく異なるようです。機体の大きさは「超大型」、それゆえに特徴も主翼にあります。
「折りたためる翼」なぜ?ボーイングの最新鋭機種「ボーイング777X」シリーズが、2020年の就航を目指して開発中です。「ボーイング777」が入っているものの、従来の「ボーイング777シリーズ」とは、大きく異なります。
まずはより「大型」となる点です。従来のボーイング777シリーズも大型機といわれ、777-200型機は全長63.7m、777-300型機は73.9mでした。ボーイング777Xはこれより大きくなります。
ボーイング777Xは現在「-8」と、長胴型にあたる「-9」の二種が発表されていますが、-8の全長は約70mで、-9は約77mです。
特に-9は「超大型機」にあたり「この規模の競合相手は、現在いません」(ボーイング民間航空機部門 マーケティング担当副社長ランディ・ティンゼスさん)とのこと。ちなみに、生産終了が発表されたエアバスの超大型機、エアバスA380型機の全長は73mです。
ボーイング777Xの外観で、特徴的なのが「折りたためる翼」。主翼の先端が、それぞれ約3.5m、上に折れるようになっています。主翼をたたむのは、おもに駐機など、地上にいるときです。
ボーイング777Xは幅も「超大型」化し、約72mあります(-8、-9共通。「777」は約65m)。この大きさでは、空港設備によっては大きすぎて駐機が難しいケースもあるため、翼をたためるようになっているのです。
「787」の技術を生かす 日本でもANAが投入予定
ボーイング777Xは、たとえば主翼の形状や素材(複合素材)などに、現在就航している同社最新シリーズ「ボーイング787」の技術を生かしているとのこと。
特に客室は、787シリーズをベースとしており、加圧や加湿が行われるほか、客室内の荷物棚も787シリーズと同容量のものを装備します。「ボーイング777X」ビジネスクラスの客室イメージ(画像:ボーイング)。
787シリーズの客室仕様を踏まえて、新たな進化も加わります。ボーイング777Xの機内の横幅は、従来の777シリーズ(777-300ER)より10cm程度拡張。側壁を再設計し、より薄い断熱材を取り付けることで広げられたといいます。窓も大型化するそうです。
「777Xは、従来の777シリーズより効率性が高まり、航続距離も延びています。従来の777と787シリーズの技術を組み合わせたほか、新技術も投入しています。現在、非常にうまく売れており、世界中で384機を受注しています」(ボーイング副社長 ランディ・ティンゼスさん)
日本の航空会社では、ANA(全日空)が20機発注。世界の航空会社で最多の発注数は、アラブ首長国連邦のエミレーツ航空で、150機です。【了】
翼幅 飛行時 235フィート5インチ(71.75m)駐機時 212フィート8インチ(64.82m)長さ 251フィート9インチ(76.72m)
ウィングチップ炭素複合材で作られた非常に長い主翼には、折りたたみ式のウィングチップを採用。既設空港に対応するため駐機時には折りたたみ、飛行時には7m(23フィート)長くなるよう展開し、大きな揚力を発生させて燃費効率を最大化初納入 2021年予定
生産再開準備に入るニュース
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4月16日、米航空機大手ボーイングは、新型コロナウイルス感染拡大を受けて先月から停止していたワシントン州での商用機の生産を来週から順次再開すると発表した。
[16日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングは、新型コロナウイルス感染拡大を受けて先月から停止していたワシントン州での商用機の生産を来週から順次再開すると発表した。
また、同社のカルホーン最高経営責任者(CEO)は従業員あての書簡で、航空宇宙業界は政府による資金支援が必要になると明らかにした。
シアトルのピュージェット湾一帯では、来週から747、767、777、787型機の生産がそれぞれ再開され、従業員約2万7000人が職場に戻る。
747、767、777型機の生産は4月20日か21日に、787型機の生産は4月23日か24日に再開される見込み。
5カ月で2度の墜落事故を起こした737MAX型機は1月から生産を停止していたが、生産再開に向け、関連する従業員は4月20日から職場に戻るという。
ロイターが確認した書簡によると、カルホーンCEOは従業員に対し、「われわれの業界は政府の支援が必要になる。それは金融市場へのアクセス確保に不可欠であり、補助金よりも融資の形式をとる可能性が高い」と説明。「われわれは顧客が再び航空機を購入するまで、当社の事業からサプライチェーンに至る流動性を維持するための最善策に取り組み続ける」とした。
ボーイング広報担当者は同社が政府支援を求めるかどうかについてコメントを差し控えた。
ボーイングは先月、新型コロナの影響で経営が悪化している国内の航空機製造業界向けに600億ドルの支援が必要だとの考えを表明。
カルホーンCEOはその後、米財務省が同社支援の条件として株式を取得することを望まないと述べていた。
コロナ問題で影響が出始めた
キャセイパシフィック航空、B777Xのキャンセルを検討か
2020年4月17日 sky-budget
キャセイパシフィック航空は、ボーイングが開発中の最新鋭機となるB777Xをキャンセルすることを検討しているとSeattle Timesが報じました。
同社は2013年に計21機のB777-9型機を、当時のレートの約75億ドルで購入する契約をボーイングと結びましたが、新型コロナウイルスの影響もあり契約をキャンセルすることを検討していると伝えられています。当初の計画では、B777-300ERの後続機として同機を導入する予定としていましたが、現状ではB777-300ERの使用期間を延長するものとみられています。
日本ではANAが20機確定発注し2021年からの受領を予定していますが、そのほかにエミレーツ航空、ルフトハンザドイツ航空、エティハド航空、カタール航空、ブリティッシュエアウェイズ、シンガポール航空が導入を予定しており現状では302機の受注があります。
なお昨年11月には最大の顧客であるエミレーツ航空が、150機のB777Xを導入する契約から24機キャンセルしており、受注数が伸びないだけでなく減少となっています。