福ちゃんの散歩道

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双発機とETOPS180ルールとの関係

2020-04-13 00:10:00 | 飛行機の話題(乗り物ニュース)

シンガポール航空、19時間の世界最長NY便再開 A350-900ULR投入
シンガポール航空(SIA/SQ)は、シンガポールとニューヨーク対岸のニュージャージー州ニューアークを
結ぶ世界最長路線の運航を現地時間10月11日から始めた。
飛行時間は約19時間で、エアバスA350 XWBの超長距離型となるA350-900ULR(Ultra-Long Range)を投入している。

エコノミーなし

 A350-900ULRは、A350-900の航続距離を伸ばした機体で、
燃料システムや翼端のウイングレットを改良し、燃料タンクを追加。
最大離陸重量(MTOW)は280トンに増加し、航続距離を最長9700海里(約1万7964キロ)または20時間に伸ばした。
燃料タンクの容量は、A350-900より2万4000リットル多い16万5000リットルで、
世界最長の直行便となるシンガポール-ニューアーク線を運航できる。

 シンガポール航空はA350-900を67機発注済み。うち7機がA350-900ULRで、
2015年10月に発注してローンチカスタマーとなった。
座席数は2クラス161席で、ビジネス67席とプレミアムエコノミー94席となっており、エコノミーの設定はない。
初号機(9V-SGA)は9月に受領した。
A350-900ULR ❺ETOPS-370 認定

A350-900の初号機(9V-SMA)通常機材
は2016年3月に受領し、同年5月に初便が就航。日本路線には、同年12月13日から羽田空港へ乗り入れている。
座席数は3クラス253席で、ビジネスクラス42席、プレミアムエコノミークラス24席、エコノミークラス187席。
ビジネスは中央部にオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)がなく、開放的な客室が広がる。

 2004年から2013年まで、シンガポール航空はA340-500でシンガポールからロサンゼルスと、
ニューヨークの玄関口のひとつであるニューアークへの直行便を運航。同機を手放したことで運休していた。
ニューアーク線は約5年ぶりの再就航となった。

 A350-900ULRの導入により、シンガポール-ロサンゼルス線も11月2日から再開。既存のサンフランシスコ線にも投入を計画している。





双発機とETOPS180ルールとの関係


現在使われている飛行機のほとんどは、双発機です。国内線でも国際線でも、ターミナルを見渡せば、並んでいる機体のほとんどが双発機という状態です。ジャンボ機(ボーイングB747)に代表される4発機が主流だった時代から、どのようにして双発機に移り変わっていったのでしょうか。それには、ETOPS180分ルールが深く関係しているのです。

以前、旅客機のエンジンに自動車と同じピストンエンジンが使われていた頃には、安全性の面から、60分以内に最寄りの空港に着陸できるルートで飛行することが、双発機のフライトの条件とされていました。そのため、目的地に向かって最短の直線ルートをとれず、目的地までの間に点在する各空港から60分以内で移動できる圏内を飛行し続け、迂回ルートで飛ぶ必要がありました。

その後、ジェットエンジンが開発されたことで、ピストンエンジンよりも信頼性も格段に向上し、60分ルール120分ルールへ、そして180分ルールへと拡張されていきました。この、180分に拡張されたルールのことを、ETOPS180分ルールと呼んでいるのです。

時間が180分に拡張されたことで、双発機でも太平洋の横断飛行が可能となり、あっという間に主流が双発機に移り変わったのです。

さて、エンジンが故障してしまった場合、エンジンに依存している発電機や油圧ポンプ、エアコンなどの装置も作動しなくなってしまいます。

そのため、エンジン故障のみならず、電気系統や油圧系統などのリダンダンシー(冗長性)、APUの役割、パイロットの作業量なども含めて総合的に考えておく必要があるのです。

ETOPS180分ルールを適用したフライトが可能となったのは、エアラインやパイロットの体制、緊急着陸できる空港の受け入れ態勢などがすべて整ったからこそです。

※ETOPS(イートップス)とは、民間旅客機の安全性確保のためのルールの1つである。エンジンを2基しか持たない旅客機では、仮にそのうちの1基が飛行中に停止した場合でも一定時間以内に代替の空港へ緊急着陸することが可能な航空路でのみ飛行が許されるとして、国際民間航空機関 (ICAO) が取り決めたもの。【Wikipediaより抜粋】

その後、エンジンの大型化と信頼性が向上しETOPS-370の時代に突入した


❶ETOPS-120からETOPS-180へ    
     ★はじめてETOPS-180の認定を受けた旅客機はボーイング777で、これは同機が搭載している2基のエンジンの信頼性が従来のものから
      飛躍的に向上したためである。その後ボーイング757、ボーイング767、ボーイング737-600/-700/-800/-900、ボーイング787、
      エアバスA300-600、エアバスA310、エアバスA320、エアバスA330にもETOPS-180が認定されている
❷ETOPS-207
❸ETOPS-240
      ★2009年10月に欧州航空安全機関 (European Aviation Safety Agency,EASA) がエアバスA330に対して初のETOPS-240の認定を与えた
❹ETOPS-330 
     ★2011年12月にFAAはボーイング777(777-300ER、777-200LR、777貨物機、GE社のエンジンを搭した777-200ER)に対してETOPS-330の
      認定を与えた
     ★2014年5月にはボーイング787がFAAからETOPS-330の認定を受けた
     ★2015年3月にボーイング747-8がFAAからETOPS-330の認定を受けたと発表し、4発機で初めてETOPSが認定されることになった。

❺ETOPS-370    ★2014年10月に欧州航空安全機関がエアバスA350-900に対し、ETOPS-180からETOPS-300ETOPS-370の認定を与えた


ETOPSの認定

ETOPSを実際に認定するのは、アメリカ連邦航空局(FAA)と欧州航空安全機関(EASA)の2機関である。
ETOPSの認定は、まず機体とエンジンの組み合わせにより型式ごとの認定(ETOPS type approval)が行われる。それから実際の運航を行うに当たっては、さらに旅客機1機ごとに個別で認可を受ける必要があり、航空会社によってはコスト削減などのため、同じ機種でもETOPS「認定」と「未認定」の機体が混在することもある。この場合、ETOPS「認定」の機体は主に長距離の洋上飛行に割り当て、「未認定」の機体は主に陸上や短距離の洋上飛行に割り当てられる[3]
また、ETOPSルールの適用時間は同じ機種・型式の旅客機でも航空会社(の運航実績と整備水準)によって違いがある。
ETOPSルール適用の旅客機は3発機(ボーイング727、DC-10、トライスターなど)や4発機(ボーイング747、エアバスA340・A380など)よりも、エンジンを中心として厳しい検査体制が採られている。


アンカレッジ経由がなくなったETOPSルール