「T字尾翼とリアエンジンの飛行機」なぜ減った? そもそもエンジンなぜ後ろにしたのか
T字型の尾翼が多い、後ろにエンジンをつけたリアエンジン機ですが、日本の航空会社では、かつてより減少傾向です。
なぜ後ろに配するのかは理由があり、エンジンの進化を振り返ると、減少した理由も見えてきます。
ポイントは胴体の高さ
エンジンが主翼の下ではなく胴体後部にあり、このことで水平尾翼が垂直尾翼の上側に設置され、
後ろから見ると「T字型」となっているのが特徴の「リアエンジン」の飛行機。
最近ではビジネスジェットなどで見る程度で、
日本の航空会社で運航されている飛行機で見かけるのは少数です。なぜなのでしょうか。
今となってはむしろ特徴的なリアエンジン機ですが、
実は100席から200席を配するクラスの飛行機の場合、スタンダードなものでした。
1960年代から80年代にかけ、JAL(日本航空)やANA(全日空)は、
国内線の主力機として3発ジェットのリアエンジン機ボーイング727シリーズを導入しました。
また1990年代に入ってからも、JAS(日本エアシステム、当時)がダグラス(当時)製の双発リアエンジン機、
DC-9シリーズ(MD-81、87、90を含む)を運航していました。
このような形になった大きな理由は、飛行機の胴体の高さを下げるためです。
エンジンを主翼からつり下げるのではなく胴体後部につければ、そのぶん胴体の高さを下げられ、
人の乗り降りや貨物の積み下ろしを、簡単に行うことができます。
¥当時これらの機体の投入が多かった地方空港では、乗降などの設備が整っていないことも珍しくなかったのです。
ちなみにこれらの飛行機には、後部に備え付けの折りたたみ式階段「エアステア」が
設置されていることが多かったのも、同様の理由だそうです。
しかし現代では、ボーイング737シリーズや、エアバスA320シリーズなど、同規模の機体のほか、
開発が進む三菱航空機「スペースジェット」などもっと小さい機体でも、
主翼つり下げ式のエンジン配置が多くなっています。
100~200席クラスでもリアエンジン機は少数に… なぜ?
100席から200席クラスの旅客用飛行機で、かつては一般的だったリアエンジン機が減り、
エンジンを主翼からつり下げるものが増えている最大の理由は、
エンジンのサイズが従来より大きくなったことです。
現代の旅客機で多く用いられている「高バイパス比(ファンで圧縮されるものの、
燃焼器を通らない空気の比率が高い)」のエンジンは、飛行機が巡行する亜音速での燃費が良く、
静かにもなった一方、エンジンファンの直径を大きくする必要があるので、
エンジン直径も大型化する傾向があります。
そうなると、機体後部に設置することが難しくなってしまったのです。
リアエンジン機が多くみられた時期に開発され、現在も日本で多く投入されているボーイング737シリーズの初期モデルは、
細いエンジンを採用したものの、737-300以降エンジンが巨大化。
以降は下部が平らになっている「おにぎり型」のものを使っています。
また、エンジンの位置を機首側に突き出し、高さを稼ぐ構造を採用するなどの工夫が見られます。
しかし現代では、空港設備が発達したこともあり、低い胴体を「捨てて」いる飛行機もあります。
エアバスA320型機は200席規模の座席を持ち、デビュー自体も1988(昭和63)年で、
ボーイング737シリーズより最近というのも影響したからか、胴体の高さを上げています。
なお「ビジネスジェット」などのもっと小さい飛行機では、現代でも「リアエンジン機」は健在です。
また、ホンダの航空機事業子会社であるHACI(ホンダ エアクラフト カンパニー)が製造している
「ホンダジェット エリート」は、翼の上にエンジンというユニークな配置の飛行機です。
【了】
関空乗り入れましたが短期間で中断した
遠東航空 McDonnell Douglas MD-80 (DC-9-80) (B-28035)
撮影日:2015/06/25
ファーイースタン航空、運航停止 財政難で・・・破産
2019年12月12日
台湾のファーイースタン航空(遠東航空、FAT/FE)は現地時間12月12日、経営不振により全便の運航を13日から停止すると発表した。
台北(桃園)-新潟線など日本路線にも影響が出ている。Googleフォームを使った払戻登録フォームを同社ウェブサイトに用意しており、受付は20日まで。
運航を急遽終了したファーイースタン航空=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
ファーイースタン航空は、1957年6月設立の台湾初となる民間航空会社で、FSC(フルサービス航空会社)。国内線のほか、国際線を中国本土やベトナム、カンボジアなどへ運航していた。日本へは、2015年6月18日に台中-関西間のチャーター便が初めて乗り入れ、運航停止前は定期便の台北-新潟線と、台北-秋田間、福島間のチャーター便を運航していた。
今年4月から週2往復で通年化した福島チャーターでは、マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-83型機を使用し、1クラス165席のうち140席を販売していた。航空ファンからは旧型機を楽しめる航空会社との評価がある一方で、大半の機材は機齢が20年以上と更新時期を迎えながらも、LCCとの競争激化などによる経営不振で更新がままならない状況だった。
このまま運航終了となった場合、12日夜に桃園空港へ到着した中国・合肥発台北行きFE128便(MD-83、登録記号B-28027)が最終便になる。
最近では2019年に秋田空港と福島空港へ、週2便の定期チャーター運航をしていました。
これは、日本から世界的に珍しいMDシリーズの飛行機に乗ることができる唯一の航空会社でした。
リアエンジンとは、自動車・航空機において、貨客スペースより後方にエンジンを搭載する形式を指す。
自動車では通常、エンジンの重心が後車軸中心より後ろ(リアオーバーハング)にあるものを指す。自動車でも分野によっては、ミッドシップ配置も広義でリアエンジンに含めていることもあるが(フォーミュラカーなど)、この記事では基本的に、ミッドシップに相当するものは含めないものとする。
リージョナルジェット機では
ジェイ・エア Bombardier CRJ-200 (JA206J) 退役している
アイベックスエアラインズ Bombardier CRJ-700 (JA08RJ)
プライベートエア
Gulfstream Aerospace G500/G550 (G-V) (N589K)
ホンダ・エアクラフト・カンパニー Honda HA-420 HondaJet (N420HE)
コミューター路線向けのリージョナルジェットや企業・富豪向けの自家用機ビジネスジェットとよばれる
小型ジェット機が1960年代以降に出現したが、それらは翼下地上高の低さによるエンジンレイアウトの制約から、
必然的にリアエンジン方式を使わざるを得ないことが多く、一般的なレイアウトとして定着している。
リアエンジン方式のビジネスジェットの先駆でもあり最も有名なメーカー『リアジェット』から、
このタイプのジェット機をすべて『リアジェット』とよぶ誤用があるが、旅客機をすべて『ジャンボジェット』
とよぶような誤用である。
なお日本ではLとRの混同からこの誤用が著しい
(メーカー名「リアジェット」の「リア」はLearで、「後部」の意のrearではない。
メーカー名のLearは創設者ウィリアム・リア William Learに由来する)。
なお、一部技術者は明確に使い分けるため船舶に倣って後部エンジン配置機を
「アフトエンジン機/アフトジェット機」と呼ぶこともある。
後部にジェットエンジンを置くと、水平尾翼を通常の位置とした場合に排気流と干渉するため、
T字尾翼とするなどして水平尾翼を排気から避けた高い位置に置くことがもっぱらである。
余談
邦人航空3社、貨物便を拡大。旅客便から乗員振り向け
邦人航空会社3社は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、貨物便を拡大させる。全日本空輸(ANA)は2日、4月6-25日までの貨物臨時便の運航計画を発表し、成田-上海、大連、香港、台北、バンコク間で合計172便を追加した。日本航空(JAL)も自社旅客機による貨物専用輸送を3月から増便。日本貨物航空(NCA)は2日時点で、4月に臨時便16便の運航を決定するなど、航空貨物輸送の需給逼迫(ひっぱく)に対応航空貨物】
ANA、貨物臨時便、4月は222便に
全日本空輸(ANA)は3日夜、4月6-25日の貨物臨時便の運航計画を更新した。成田発着で6-25日に臨時便174便を追加。これにより、25日までの臨時便の運航便数は計222便に拡大した。同社は3月29日から開始した夏ダイヤの運航スケジュールで、貨物便を週ベースで当初計画から75%減の30便に減便していた。今回の臨時便追加により、定期便・臨時便の合計運航便数は週94便と、大幅に回復する