今月のNHKーBSはイタリア特集。今日は『チネチッタの魂:イタリア映画
75年の軌跡』を観た。イタリア国営の映画撮影所チネチッタは、ムッソリーニ
時代にプロパガンダ映画製作のため建設され、今年で75年を迎える。
kimitsukuが映画少女だった頃、アメリカやフランス映画に比較すると本数は
少ないが、時折り田舎の映画館でもイタリア映画が公開された。
その当時の印象に残っているのは、V・デ・シーカ監督の『自転車泥棒』。
アメリカ映画の華やかさ豊かさとは大違いの、暗いネオリアリズム映画で、
自転車を盗まれた父親が、止むを得ず他人の自転車を盗もうとして見つかり
子供の前で群集に罵倒されるラストシーンを、今でも切なく思い出す。
『無防備都市』と共に、イタリアンリアリズム映画の代表作であった。
『道』や『ストロンボリ』、『鉄道員』なども、心に深く残っている。
1970年公開の『ひまわり』は、V・デ・シーカ監督の反戦映画の傑作。
今回も再放送されたが何回観ても胸が痛む。若い夫婦が戦争のために
人生を狂わせてゆく非情なストーリー。戦死した兵士の遺体が埋められた
ひまわり畑の美しさが、いっそう戦争の残酷さと悲哀を感じさせた。
S・ローレンが、国際女優として認められた一作でもあった。
R・ヴィスコンティ監督の、『ヴェニスに死す』や『山猫』も、忘れがたい。
まだ記憶に新しい『ニューシネマパラダイス』は、1989年の映画。
シチリアの小さな街を舞台に、映画に魅せられた男性の回想録映画だった。
暫らく停滞していたイタリア映画の復活を印象づけた、J・トルトナーレ監督の
自伝的作品。映画が唯一の娯楽だった辺鄙な村の人々が、熱狂的に映画を
楽しむシーンが懐かしく切なく可笑しい。
今までも、そしてこれからも『人生を教えてくれる学校=映画』を、楽しみたい。
いつも、詳しく丁寧なすばらしいブログですね。
私はテキトーでスミマセン。
映画は私も大好きです。
Jは映画館で学生アルバイトしています。
今年もよろしくお願いいたします。
私の方こそ、いつも楽しく拝見しております・
京都&神戸レポート、一緒に旅したような…。
そうですか、Jくんが映画館でアルバイト
すっかり大きくなられたのですね。
ご主人さま、Aちゃん、Jくんに宜しくお伝え下さいませ。