馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

真砂岳 雪崩遭難。

2013-11-26 19:16:08 | 日記

11月26日(火) 北アルプス 真砂岳 雪崩遭難

7人が死亡のニュースに驚いた。

 

11月末、真砂岳でスキーが可能なことを知らなかった。

 

46年前 厳冬期立山から槍ヶ岳縦走をした。

大学山岳部4年生4名、3年生2名、2年生3名

1年生2名。

私は1年生だった。

 

昭和42年12月24日 上野から夜行列車で出発。

富山地鉄、美女平駅からケーブルの階段を登り。

大雪原の弥陀が原をかんじきとスキーストックを駆使して

6日間で室堂に幕営。

1月1日 立山雄山の頂きにいた。

ヒマラヤと同等の烈風とマイナス26度の体感温度は

登頂には恐怖で心臓が破裂しそうだった。

 

下山中 アイゼンも刺し込めない堅氷に2年生が滑落した

停めようとした2年生も同時に滑落。

下で受け止めようとした4年生も滑落した。

 

運良く氷の割れ目に落ちて助かったが

3人は捻挫したまま、縦走を続け

1月22日上高地に下山した。

 

当時 アルペンルートなる道はなく

剣岳、立山は氷と雪だけの世界。

登山家も殆ど来ない。

私達の縦走が初めてだった。

後に山岳雑誌 岳人に記録として掲載された。

 

現在では除雪車で室堂まで6日間のラッセルもせずに

行けてスキーが出来るのだ。

 

82歳の老人がエベレスト登頂

女タレントがマナスル登頂

ずっと前は 南極に突如行った女優。

ヨットで太平洋横断失敗のニュースキャスター

本当の事ではなく、スタッフが段取りを組み

役者が演じているドラマなのだ。

 

マラソンでスタートとゴールは自力で走るが

途中は、他力を使って完遂。

中抜き?

 

立山連峰は

降り積もった雪が烈風で堅氷になり

数日後、新雪が静かに乗る。

 

谷間に太陽が照り、スキーヤーのシーハイルの声が木霊すれば

新雪も呼応して動き出す。

 

スキーのベテランの方々だったが

スキーの上手さと雪山の困難の克服は別次元。

 

大学4年生の3月

八幡平を先輩と二人でスキーで縦走したが

新雪の大深岳を登りスキーを斜滑降でゆっくり慎重に

滑り下り、藤七温泉に着いた。

当時は山番のオジサが一人いるだけだった。

オジサンに言われた。

「あんたらスキーは下手だな」

「だが!さすが雪山を知っているから危なくね~」

「スキーヤーが来ると、雪山の斜面をかっこよく滑ろうとして

ズッコケル」雪崩を起こしそうで怖い」

 

頂上に登らず中間をトラーバースして山小屋に

着くのは時間と労力が省けて楽だが、雪崩を生じさせる。

一旦直登してから目的場所に静かに真っ直ぐ下りる。

 

初冬の真砂岳、谷間でスキーを楽しむのは

私には理解出来ない。

 

蟻地獄に自ら入り込んだように思うのだが?

 

日々の鍛錬と全体像を見渡せる視覚と

危険を察知する鋭敏な感覚を養い

FAIL-SAFE(失敗しても安全)の

二重の構えをする。

 

車運転もオートマとマニュアルでは

オートマ運転が事故率が高い。

 

ずっと昔、真砂岳では雪崩による事故は起きなかった。

 

だって、その場所にスキーヤーは行けなかった。

 

山岳部同期だった二人は

24歳の夏、北穂高で滑落死

 51歳時、脳腫瘍で亡くなった一人は

生まれ故郷富山平野

雪煙渦巻く立山を田の畦道に立つ墓から

仰ぎ見ている。

 

両横の同期へ、俺だけが生き残ってしまって!

悲運にも遭難された方々に合掌します。

 

写真は当時 モノクロだよ!