能登町宇出津で開催された「鯨楽旬談」に参加しましたよ。実際に鯨を捕っていた年配の漁師さんの話を伺いながら鯨をいただく催し。
こちらは歴史的に鯨を食べていたところで、同じ能登町にある真脇遺跡(縄文時代の4000年間に渡り定住が続いていたところ)ではイルカを食べていたと見られているんですよ。でも不思議なことに能登半島でこんなにクジラを食するのは宇出津のあたりだけなのだそうです。
登場したのは鯨のフルコース。
お刺身、味噌焼き、味噌づけ、すき焼き、えとせとらえとせとら。
鯨以外にもさまざまな季節の幸。
たくさんすぎてクジラだけでも食べきれません。
皮は酢味噌でいただくんですよ。
こちらで一番多い食し方はすき焼きだそうで、昔からクジラがあがるとお店から葱が消えるのだそうですよ。
私はすき焼きは初めていただいたんですけれど、鯨の皮がとろっとろになっていて、本当に美味しかったんですよ。そして葱よりもゴボウがいい具合でした。参加している地元の方に伺ったら、葱よりもゴボウだけの方が美味しいとおっしゃってる方もいらっしゃいました。
こちらでは内臓を食べている話はあまり聴かれないのですが、地元の方は「捨てるところはないよ」とおっしゃっていました。流通経路にのらないだけできちんと消費されているのですって。鯨油をとるだけとって捨てていたどこぞのお国とは違うのですよ。
食がその地域性と深く結びついているのは無視できない事実。旅の楽しみのひとつはやっぱりその地域性。何処へ行っても食が平均化してしまったらつまらん。つまらん。ですとも。