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新型コロナ、待望のワクチン

2020-04-24 10:24:39 | その他
新型コロナウイルスは相変わらず世界中で猛威を振るっていますが、これに対抗する武器として最も期待されているのがワクチンです。

製薬会社や大学などの研究機関は、新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発を急いでおり、世界保健機構(WHO)によると、現在少なくとも62件の研究が進められているようです。

大いに注目を集めているのがアメリカの企業で、新型コロナウイルスの遺伝子配列が発表されてからわずか42日後に、臨床試験を開始できる新たなワクチンを開発したとしています。

バイオ技術に基づくこうしたワクチンの基礎研究は30年近く前からあるものの、これまでのところ人間の病気に有効なワクチンは作られていません。過去の事例を参考にすると、新型コロナウイルスのワクチンを世界の人が手にできるのは、1年後かそれよりかなり先になりそうです。

史上最速で承認されたといわれるおたふくかぜのワクチンでさえ、ウイルスサンプルの収集からワクチンの許可までに4年を要しています。ワクチン開発の臨床試験には3つの段階があり、現在のコロナウイルスワクチン試験はその第1段階です。

それが完了するのは今年の秋か2021年春、あるいはそれよりも後になりそうです。こうした安全性確認の時間を取ることには、それなりの理由があります。

例えば類似のコロナウイルスが原因で発症するSARSのために開発された候補ワクチンは、動物モデル実験において逆に病気のリスクを高める結果となっています。

従来の天然痘、はしか、インフルエンザなどのワクチンは、ウイルスそのものを弱らせたり不活性化させて作られています。最近はウイルスそのものではなく、そのうちの1種類のタンパク質を用いることで、免疫系の反応を引き起こせることが分かりました。

こういったワクチンは製造が容易で安価なことより、医療従事者が使用する最も一般的なワクチンになっています。

問題は類似のコロナウイルスによって、2002年にSARS、2012年にMERSが流行し、約1600人の死者が出ているにもかかわらず、未だにヒトコロナウイルスに対し有効なワクチンが存在しないことです。

これはSARSはワクチンの臨床試験が行われる前に流行が終わり、MERSは症例数が少なすぎたため、開発者に持続的な資金が提供されなかったためのようです。

現在はタンパク質ワクチンから遺伝子ワクチンへと進化しているようですが、まだ人体での有効性を証明できていないようです。

新型コロナウイルスは、こういったワクチン開発の条件が十分に整っていますので、一刻も早いワクチン開発を祈っています。


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