ごっとさんのブログ

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日本人と冬至にゆず湯

2018-12-23 10:37:48 | その他
今年は22日が冬至で、私もゆず湯に入りました。

事前の調査結果では「入るつもり」が56%と過半数になり、特に女性は高い割合(66%)でゆず湯に入ることが分かりました(回答10602人)。

年代別で見ると、若い世代ほど「入らない」が、世代が上がるほど「入るつもり」が多いという傾向が出ていました。若い世代の一人暮らしだと、ハードルが高いのかもしれません。

冬至にゆず湯に入る習慣は、江戸時代の銭湯から始まり、昔からゆずは身体によいとされてきました。寒さが厳しく乾燥も進むこの時期に、美肌や血行(冷え性)により敏感な女性がゆず湯に「入るつもり」なのも当然かもしれません。

もともと冬至→湯治、ゆず→融通の語呂合わせから、「湯治で融通良く」という意味を込め、ゆず風呂の習慣が定着したようです。この風邪をひかないという効能を、やや現代的に分析します。

ゆずには風邪予防や保湿の効果があるビタミンCや血流改善を促すスペリジンなどが含まれ、身体に良いことは近年の研究で科学的にも証明されています。こういった成分がヒトを病気になりにくくさせ、安らぎをもたらしてくれるとされています。

これは香りも有効ですので、ゆず湯に入る際には皮に切れ込みを入れたり、輪切りや半分にカットした方が効果的です。ゆずは中国揚子江上流が原産で、日本に渡来したのですが、奈良・平安時代には薬用として栽培されていました。

日本最古の医学書である「医心方」の記載によれば、ゆずは飲食物の消化吸収を助け、切り傷を治し、熱や咳き込みや嘔吐を鎮め、膀胱炎の諸症状や下痢を止めるなどの効果を挙げています。

また16世紀に中国で書かれた「本草綱目」には、ゆずの種を黒焼きにしたものを煎じて飲めと身体の痛みが和らぐとも記載されています。この様に昔からゆずは薬としての効能が民間に伝わり、ゆず湯としても風邪の予防や疲労回復などに用いられました。

植物が紫外線や昆虫から身を守るために作り出す化学成分をファイトケミカルといい、人もそれを摂取することで老化や様々な病気のリスクを低下させることが期待されていますが、ゆずには有効な抗酸化能が秘められています。

最近ゆず種子オイルに抗アレルギー効果があることが見いだされました。ゆずの種のオイルにはかゆみの原因となるヒスタミンの放出を抑える効果があることを解明し、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の患者に塗布することで有効性が実証されています。

またゆずの種のオイルには活性酸素を消去する効果があることも分かってきました。私としては、皮膚というのは物質透過性が非常に悪く、ほとんど何も吸収しないと思っていますが、こういった効能があるゆずを浮かべた風呂に入り、ゆっくり温まるのはよさそうな気もしています。

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